2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属基板上の単結晶様芳香族分子多層膜エピタキシャル成長の理解と制御
Project/Area Number |
22560006
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
FRIEDLEIN Rainer 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (80452118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 由起子 (山田 由起子) 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (90344720)
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Keywords | 有機エレクトロニクス / 光電子分光 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
高性能有機半導体素子実現のためには、有機半導体層及び有機半導体/電極界面における高速電荷輸送が不可欠である。電荷は欠陥により捕獲され、その移動を妨げられるので、高移動度実現のためには有機半導体膜の構造秩序向上が重要である。本研究ではこの点に着目し、単結晶金属基板上へのオリゴアセン等有機半導体分子のエピタキシャル成長を決める金属基板との界面相互作用を電子線回折による結晶構造解析と角度分解紫外光電子分光による電子構造解析より明らかにすることを目的とする。今年度は以下の様な知見が得られた。 1.アントラセン多層膜はCu(110)基板上に高配向膜を形成し、その配向性は膜厚依存性を示す。一方テトラセンに関してはエピタキシャル関係の欠如から乱れた構造の膜しか得られなかった。金属上のアデニンに関しては基板-膜界面において原子間の局在化した共有結合が形成されるが、オリゴアセンでは、より広がった混成界面準位の形成が明らかとなった。 2.si(111)上Bi(0001)薄膜上に成長したアントラセン多層膜を詳細に調べた結果、複数の回転ドメインの形成が明らかとなった。このため、有機半導体膜のエピタキシーに六方晶系表面を使用するには微傾斜面の使用が不可欠であることが再確認された。アントラセン多層膜はペンタセンの薄膜相と同じ結晶構造をとるため、分子間バンド構造の比較を行った。 3.si(111)上zrB2(0001)薄膜上にアントラセンとペンタセンの単層膜及び多層膜を形成した。アントラセン多層膜に関してはエピタキシャル成長が観察され、分子は表面に対して「寝て」いた。一方ペンタセンに関しては局所的な秩序しか観察されず、140Kと300Kにおいてそれぞれ「寝て」いる構造と「立って」いる構造が観察された。単層膜に関して観測された界面電子構造は金属表面に強く化学吸着した分子に特有のものであった。
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Research Products
(18 results)