2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波プラズマ励起種を用いた選択加熱技術の開発
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22560007
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中川 清和 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (40324181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲也 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 准教授 (60252011)
山中 淳二 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20293441)
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Keywords | 結晶成長 / 電子材料 / 電子デバイス / プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ波励起プラズマ中のラディカル等の励起種を用いて、従来の加熱方法とは異なる選択急速加熱を可能とする技術の開発を行う。特に、マイクロ波プラズマ中の荷電粒子によるダメージを抑制する加熱技術開発を図り、多結晶半導体薄膜の作製および電界効果トランジスタ試作・評価を行うことを目的としている。 23年度の研究成果として、1.ガラス基板上に堆積した非晶質ゲルマニウムの直接加熱による結晶化の実証。60秒程度の水素ラジカル照射でゲルマニウムの結晶化を確認できた。到達温度は放射温度計では650℃程度を示したが、溶融・蒸発を示す島状となった。これは、950℃以上に加熱されたことを示しており、100nm程度の薄膜半導体の温度測定が放射温度計では困難であることが判明した。2.10%シリコンを添加したゲルマニウムでは加熱効果が認められない。シリコン原子が水素ラジカルのキラーとなっていることを示唆している。3.ラジカルと荷電粒子、電磁波を分離する装置(プラズマ室と石英管の試料室からなる)を作製し計測した結果、プラズマ室からの距離に依存し加熱温度が低下する。これは石英管壁のシリコンが水素ラジカルのキラーとして働いていることを示唆している。4.遷移金属類の中で、タングステンでは5秒以内に1200℃程度に急速加熱可能であった。シリコンを含んだ非晶質半導体の加熱を行うために、非晶質半導体層の一部にタングステンを堆積し、熱源として横方向結晶成長が可能であることを確認した。5.上記方法で形成した多結晶半導体上に薄膜トランジスタを試作した。簡便な加熱技術であるが、実効移動度40cm^2/Vsの電界効果トランジスタを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、マイクロ波励起プラズマ中のラディカル等の励起種を用いて、従来の加熱方法とは異なる選択急速加熱を可能とする技術の開発を行う。特に、マイクロ波プラズマ中の荷電粒子によるダメージを抑制する加熱技術開発を図り、多結晶半導体薄膜の作製および電界効果「トランジスタ試作・評価を行うことを目的としている。昨年度までにこれらはほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き今年度は、 (1)ガラス上に堆積した非晶質シリコン・ゲルマニウムの結晶化のための加熱条件の最適化実験。今までは急速、高温加熱を目指して研究を推進してきたが、ゲルマニウムやシリコンゲルマニウムでは蒸発現象が生じる。対象による最適化条件を探る。 (2)上記方法を用いて、基板上の所望の任意の場所に容易に高移動度トランジスタを作製する技術開発を行う。
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Research Products
(6 results)