2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560008
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松本 俊 山梨大学, その他部局等, 名誉教授 (00020503)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 励起子 / 多重量子井戸 / スピン偏極の外場変調 / 希薄磁性半導体 / 励起子移動現象 |
Research Abstract |
半導体ナノ構造内に空間的に局在する励起子を有機的に結合することで多次元情報処理や量子演算などの新規デバイスへの応用が期待できる。本研究では希薄磁性半導体井戸と非磁性半導体井戸が近接して存在する多重量子井戸構造を利用して、近接する量子井戸内に局在する励起子間の相互作用と井戸間移動現象を明らかにする。平成24年度は、外部磁界に加えて外部電界が励起子のエネルギーと井戸間移動に及ぼす影響を理論的・実験的に調べた。外部電界は磁界に比較して高速度変調が容易であり、高速動作デバイスへの応用が期待される。 非磁性半導体の単一量子井戸試料および希薄磁性半導体井戸と非磁性半導体井戸が非磁性半導体の障壁層を介して結合する二重量子井戸試料を作製した。井戸面に垂直に電界と磁界を印加しながら光励起で量子井戸に励起子を注入し、非磁性井戸内で励起子が消滅する際に発生する光の円偏光度を調べた。いずれ試料においても外部電界によって偏光度が変化し、変化の向きは単一量子井戸試料と二重量子井戸試料で逆であることを見いだした。 それぞれの量子井戸構造について各井戸に局在するアップスピン励起子エネルギーとダウンスピン励起子エネルギーを計算し、各井戸局在励起子のスピン偏極度の外部磁界および外部電界依存性を考察した。二重量子井戸試料についてはスピン偏極励起子の希薄磁性半導体井戸から非磁性半導体井戸への移動が非磁性半導体井戸発光の円偏光度に及ぼす影響を調べた。これらの考察に基づいて、非磁性半導体井戸局在励起子発光の円偏光度が外部電界によって大きく変調される試料構造の設計指針が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)