2012 Fiscal Year Annual Research Report
難育成高温超伝導体大型単結晶の作製技術開発と直接手法による物性評価
Project/Area Number |
22560018
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 利充 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 上級主任研究員 (80356485)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 結晶成長 / レーザ加熱 / 酸化物高温超伝導体 / 低温物性 |
Research Abstract |
難育成高温超伝導体に対して独自開発のレーザ加熱結晶育成技術を適用してきたが、本年度は更に改良を加えることにより、より高品質で安定的な単結晶育成を可能にした。(La,Ba)2CuO4の結晶成長については、昨年度まではレーザ加熱を用いて育成方向に急峻な温度勾配を実現しても原料棒における不要な反応を完全には抑えることが難しい状況であったので、原料棒の送り速度は早くして反応を最小限に抑え、結晶の送り速度を遅くすることにより育成を行なっていた。十分な大きさの結晶を得るためには複数の原料棒を用いて育成をつないでいく必要があり、Ba濃度が不均一になりやすいという問題があった。そこで今年度は、事前に原料棒を低速で溶融させて高密度化させておくことで、原料棒と結晶の送り速度を同一にして単一の原料棒で結晶育成を行なうことに成功し、Ba濃度の均一性を向上させることが可能になった。LaBa2Cu3O7の結晶成長については同一条件で結晶育成を行なったつもりでも育成できるときとできないときがあり、再現性に問題がある状況である。LaBa2Cu3O7と共存する液相面が狭いことが原因と考えられる。 そこで物性評価は(La,Ba)2CuO4に関して集中的に行ない、ストライプ相での物性の特徴を明らかにした。昨年度までに明らかにしてきた磁場中の抵抗のlog(T)の発散、磁場中での抵抗率の平行シフトなどについて確認したのに加え、ストライプ相での表面状態の異常について明らかにした。すなわち、ストライプ相でのバルク状態では超伝導が抑制されることが知られているが、表面では超伝導がそれほど抑制されないことを見出した。研磨などを行って新たな表面を出すと同様の性質が現れるので、この性質は本質であり特異な表面状態が実現していることを示唆する。この成果に関する論文および特許を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)