2012 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能差周波レーザー分光法にもとづくアモルファス炭素系薄膜の超硬質化機構の解明
Project/Area Number |
22560020
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 治彦 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (70201928)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アモルファス窒化炭素 / 水素化アモルファス炭化ケイ素 / プラズマCVD / 発光スペクトル |
Research Abstract |
N2と有機化合物の混合気体放電で生成するアモルファス窒化炭素(a-CNx)薄膜について、高[N]/([N]+[C])比を得る一般的手法を見出した。すなわちN2のマイクロ波放電フローに微量のC6H6を添加し、放電部より約15 cm下流で薄膜を堆積させた。XPSおよびRBS/ERDAによる元素分析にもとづき、[N]/([N]+[C])=0.5が再現性良く得られた。CH3CNおよび(CH3)2COを原料に用いても全く同様の結果が得られた(後者の場合にはO原子が膜中に12%程度含まれる)。本手法は高[N]/([N]+[C])比を得る一般的な方法になり得る。 ArのECRプラズマにSi(CH3)4(TMS)を導入し、水素化アモルファス炭化ケイ素(a-SiCx:H)薄膜を合成した。さらにTMSの解離励起過程を調べた。まずa-SiCx:H薄膜についてXPSによる組成分析を行った結果C/Si比1.6-2.0を得た。基板に高周波バイアスを印加して硬質化した薄膜に対し兵庫県立大学所有の加速器NewSUBARUを用いたC-K NEXAFSの測定・解析を行い、C-C結合の増加により薄膜が硬質化することを見出した。さらにCH(A2Δ-X2Π)遷移の発光スペクトルを観測し、プラズマ中に極微量のH2Oを導入して電子のエネルギー分布を変化させ、CH(A2Δ-X2Π)遷移の発光強度の変化と比較した。その結果CH(A2Δ)状態の生成過程は以下の電子衝撃反応であると結論された。 Si(CH3)4 + e- → CH(A2Δ) + Si(CH3)3 + H2、 Si(CH3)4 + e- → CH(A2Δ) + Si(CH3)2 + CH4 + H 本研究で用いた方法は反応速度定数を用いずに済み、しかも閾エネルギーが3 eV以上異なると区別できるため、精度の高い解析が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)