2011 Fiscal Year Annual Research Report
表面拡散による形態変化を利用したシリコン表面における三次元微細構造形成
Project/Area Number |
22560023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
須藤 孝一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (90314426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗幸 甲南大学, 理工学部, 講師 (10397721)
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Keywords | シリコン / 表面拡散 / 微細構造 / 高温アニール |
Research Abstract |
今年度は、大きく下記の二つの項目について研究を行った。 1.空洞の厚さ制御 今年度は主に空洞の厚さを制御する手法について研究を進めた。Si(001)基板上にアスペクト比及び寸法の異なるの様々な微細ホールパターンを反応性イオンエッチングにより形成し、高温アニールによって引き起こされる自発的形態変化の振る舞いを詳細に調べた。空洞の厚さはホールの深さとともに増加するが、アスペクト比がある臨界値を超えたところで空洞の多層化が起こるため、それ以上空洞を厚く出来ないことが分かった。高アスペクト比ホールの断面形状を中央部が僅かに膨らんだ形にしたところ、空洞が多層化されず一段の厚い空洞が形成できることが分かった。この時の形態変化の過程を調査したところ、初期過程において不規則な迷路状の空洞が形成され、その後、表面張力の効果によって空洞の全表面積を減らすように一つの大きな平板状の空洞へと形を変えてゆくことが分かった。 2.空洞形成過程の数値シミュレーション 高アスペクト比ホールパターンの変形によって形成される空洞の構造を予測することを目的として、表面拡散による高アスペクト比微細構造の形態変化シミュレーションについて研究を進めた。古典的なWullinsモデルを用いてシミュレーションを行ったところ、定性的な実験結果を再現することは出来たが、定量的な振る舞いは異なっていることが分かった。表面自由エネルギーの異方性を考慮したより精密なモデルを用いたシミュレーションを行うと、実験で観察された形態変化の様子が定量的に再現できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高アスペクト比微細ホールパターンサンプルの作製において不具合があり、サンプルの準備に予想以上に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
空洞上のSi膜の厚さを制御するため、反応性イオンエッチングによるSi膜の薄膜化実験を実施する。また、空洞上のSi膜をフォトリソグラフィーで微細加工した後、高温アニールによって形態を変化させ結晶品質の良い両持ち梁や片持ち梁を形成する。
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