2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的スケーリング理論を用いた電気めっき薄膜の内部応力形成機構に関する研究
Project/Area Number |
22560025
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
斉藤 正敏 琉球大学, 工学部, 教授 (00284951)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 内部応力 / 金電析 / 潜伏時間 / 応力振動 / その場観察 / スケーリング / 活性化エネルギー |
Research Abstract |
1.金薄膜による内部応力のスケーリング挙動 (1)金薄膜の内部応力は、σ ~ h <-m> e(- Δ G /kB T)の式を満たすことが明らかになった。金の場合、X 線解析結果によれば、優先成長方位が存在しない。活性化エネルギーΔ G は内部応力の温度依存性解析から0.67 e V / atom 、金の空格子点の移動エネルギーの0.71 e V より少し小さい値になっている。従って粒界での緩和過程が内部応力に関与していることを示している。(2)留意する点は、使用した溶液ジスルフィト金ナトリウム電解液には硫黄が含まれており、金の電析糧過程において還元され、金薄膜に溶解している。その濃度はE P M A の測定から0.085 w t % 程度含まれていることが判明している。硫黄の存在は、圧縮応力源として作用するため、金薄膜の内部応力の解析をより複雑にさせた。 2.その場観察による内部応力と薄膜成長 (1)電析初期において①薄膜が形成されているにもかかわらず、内部応力が生じない潜伏時間が存在、②内部応力は極大値を持つ、③電析とともに内部応力値の振動が生じる、という3つの領域が発見された。潜伏時間内では金は島状に存在してまだ薄膜化しておらず、従って粒界も存在しないため、引っ張り応力が生じない。潜伏時間を過ぎると粒界が生じて内部応力が発生する。その後、薄膜表面上に島が形成され、粒界が形成されると引っ張り応力が発生するため、振動現象となると考えられる。(2)潜伏時間、最大内部応力の実験結果から電流密度0.5 m A <-2 > ~ 0.7 m A cm <-2 > のところにしきい値が存在していることが発見された。しきい値が存在していることから、そこで応力形成メカニズムの変化が起っていると考えられるが詳細については不明である。しきい値の詳細についても今後の研究課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)