2010 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算解析による炭化ケイ素半導体デバイス酸化膜の界面欠陥解明に関する研究
Project/Area Number |
22560029
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮下 敦巳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (00354944)
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Keywords | 炭化ケイ素半導体 / 界面物理 / 第一原理計算 / 界面欠陥 / 分子動力学 |
Research Abstract |
SiCテバイスにおいては、SiC結晶基板とその酸化物の界面付近に生成する欠陥がテバイスの性能を左右しており、どの様な欠陥が界面に生成するのか解析することは重要な研究課題となっている。特にSiC基板の結晶面方位が(0001)面(Si面)の場合と(000-1)面(C面)の場合とでデバイス性能が大幅に異なっており、より高性能なデバイス作製にはC面使用が良いとの報告があり、基板面方位とデバイス性能の関係を調べる必要性が提起されている。そこで、第一原理分子動力学計算法によって4H-SiCのC面上にβ水晶を接続した界面原子構造モデルに対して加熱・急冷を行い、アモルファスSiO_2/SiC界面のC面界面原子構造を生成した。モデルはSi 252個、C 144個、O 216個、H 36個の648原子によって構成されている。生成された原子構造の界面での原子の接続状態を解析すると、Si面界面モデルでは、ほとんどがSi-O結合で接続されており、他にSi-Si結合やSiダングリングボンドを含んでいたのに対して、C面界面モデルではC-Si結合が多く、他にC-O結合、C-C結合、Cダングリングボンドが観察され、面方位による界面構造の違いが認められた。また、C面界面モデルはSi面界面モデルに比べ、界面極近傍でのO/Si比の化学量論比からのずれが少ない事も観察された。生成されたC面界面モデルを用いて電子状態密度を評価した所、バンドギャップ中に界面ダングリングボンドからの欠陥準位が多く観察されたが、それらのほとんどはH終端する事で解消された。界面に存在するC-C結合からの準位はH終端の後も残存したが、欠陥準位エネルギーは価電子帯上端にあり、C-C結合による界面欠陥はデバイス特性には大きく影響しない事が理論的解析から示唆された。
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Research Products
(2 results)