2012 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算解析による炭化ケイ素半導体デバイス酸化膜の界面欠陥解明に関する研究
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22560029
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮下 敦巳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (00354944)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 炭化ケイ素半導体 / 界面物理 / 第一原理計算 / 界面欠陥 / 分子動力学 |
Research Abstract |
近年、4H-SiC(0001)面(C面)基板を用いたトレンチゲートMOS-FET構造での側壁面に当たる(11-20)面(A面)で、非常に良いチャネル移動度が得られる事が報告されている事から、A面SiC基板上にアモルファスSiO2(a-SiO2)を生成し、その界面構造を評価した。昨年度までに生成した原子構造モデルから得られたバンドギャップ幅は3.6eVであったが、この値は4H-SiC結晶のバンドギャップ幅の実験値として知られている3.2eVより大きく、モデルの安定性に問題がある事が示唆されていた。従来のモデルでは基板SiC結晶の厚さを5層としていたが、今年度は、これを8層に増すことでモデル全体の電子構造を安定化させ、正確な電子構造を得ることを試みた結果、実験値と等しい3.6eVのバンドギャップ幅を得ることに成功した。これによって急峻界面モデルにおいてバンドギャップ中に現れていた欠陥準位の正しいエネルギーが導出され、界面Si等の欠陥準位は全て深い準位にある事が判明した。 加熱・急冷計算の初期構造となる界面モデルにおいて、界面Cのダングリングボンドを酸素で終端する事により、界面での反応性を高めたモデルを用いることにより、荒れた界面を持つA面モデルの生成を試みた。その結果、生成された界面モデルにはC-C結合含む欠陥が現れたが、欠陥準位のエネルギーはC面界面モデルで得られているエネルギーと同等であった。しかし、C面界面モデルに現れていた界面Siに起因する多くの欠陥がA面界面モデルでは生成されず、その欠陥準位も観察されなかった。特に、SiC中のSiから生成されている伸びたSi-C結合に起因する欠陥準位は、伝導帯下端付近に準位エネルギーを持つものの、C面界面モデルには存在するがA面界面モデルには存在しないため、面方位依存性に影響する欠陥である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)