2011 Fiscal Year Annual Research Report
in-situドメインコントロールによる強誘電体物性の制御
Project/Area Number |
22560030
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
西田 謙 防衛大学校, 電気情報学群, 准教授 (40299384)
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Keywords | ラマン分光法 / その場観察 / チタン酸鉛 / チタン酸ジルコン酸鉛 / 酸化物薄膜 / ドメイン制御 |
Research Abstract |
チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O_3)は、現在最もよく使われている圧電セラミック材料のひとつである。膜厚が3~5μm程度のPb(Zr,Ti)O_3厚膜は、圧電特性において高い直線性を示すことから、圧電アクチュエータへの応用が期待されている。Pb(Zr,Ti)03の圧電性を決定づけているのは、膜中のドメインであることは広く認められているが、その特性とドメイン構造との関係は明らかでない。更にドメインの生成機構はまったく解明されてこなかった。しかし、最大の特性が出現するドメイン構造の設計が現在のPb(Zr,Ti)O_3研究の最重要課題であることは議論の余地は無い。そこで、本研究は、強誘電体の物性と強い相関のあるドメインの生成過程をin-situ(その場)で観察し、ドメインの生成をコントロールするパラメータを明らかにし、所望の構造を有する強誘電体ドメインの生成を行う事を目的に行った。これによりドメイン制御という新しい考えに基づく強誘電体物性制御技術の確立を行う。初年度からPb(Zr,Ti)O_3エピタキシャル膜作製技術の確立と、PbTiO_3エピタキシャル膜のドメイン形成過程の功-3〃〃モニタリングによるドメイン構造生成の決定要因の解明を行った。その結果、薄膜中の応力変化が大きな影響を与えていることが明らかになった。そこで基板の種類(熱膨張係数)を変え薄膜中に導入される応力量を変化させPbTiO_3薄膜中のドメインに対する影響を調べた。その結果、それぞれ圧縮及び引っ張り応力の印加される基板によりPbTiO_3薄膜中に生成されるa及びcドメインの量に変化があることがわかった。本年度は、更にドメイン生成過程の制御を行うことができるパラメータを解明する為に降温速度、圧力など雰囲気制御を行い、ドメイン構造に与える影響を調査した。その結果、内部応力の緩和過程を変化させる事ができ、それに応じてドメイン構造が変化することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
強誘電体は薄膜のドメイン生成過程のその場観察により、ドメイン構造の形成を決定づけている要因が薄膜中の応力変化である事を明らかにした。更に、製膜基板、雰囲気(降温速度、圧力など)ドメイン生成過程中の内部応力を制御できるパラメータを手に入れることができた。これらの成果は、本年度の研究計画に大きな影響を与え、大きな成果につながると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、2年目に得られた研究成果を元に、本年度は強誘電体薄膜中のドメイン構造生成過程の制御を行う。更にドメイン構造制御された強誘電体薄膜の強誘電体物性測定を行い、強誘電体薄膜デバイス実現への提言を行う予定である。現在の研究計画は順調に進んでおり大きな問題は発生していないが、装置等のトラブルにより、実験が順調に遂行できなくなった場合、研究協力者の装置を借りることにより、速やかに回復を図り、本研究目的の達成を目指す。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Quantitative estimation of oxygen vacancy in PbTiO3 thin film using Raman spectroscopy2011
Author(s)
K.Nishida, M.Osada, J.Sakai, N.Ito, M.Nishide, T.Osumi, T.Tai, T.Katoda, R.Ikariyama, H.Funakubo, H.Moriwake, T.Yamamoto
Organizer
The 9th International Meeting of Pacific Rim Ceramic Societies on Ceramic and Glass Technology
Place of Presentation
Cairns, Australia
Year and Date
2011-07-11
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