2012 Fiscal Year Annual Research Report
in-situドメインコントロールによる強誘電体物性の制御
Project/Area Number |
22560030
|
Research Institution | 防衛大学校 |
Principal Investigator |
西田 謙 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (40299384)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ラマン分光法 / その場観察 / チタン酸鉛 / チタン酸ジルコン酸鉛 / 酸化物薄膜 / ドメイン制御 |
Research Abstract |
鉛系強誘電体は、現在最もよく使われている圧電セラミック材料のひとつである。膜厚が3 ~ 5 μm 程度の厚膜は、圧電特性において高い直線性を示すことから、圧電アクチュエータへの応用が期待されている。これら鉛系強誘電体の圧電性を決定づけているのは、膜中のドメインであることは広く認められているが、その特性とドメイン構造との関係は明らかでない。更にドメインの生成機構はまったく解明されてこなかった。しかし、最大の特性が出現するドメイン構造の設計が現在の鉛系強誘電体の研究の最重要課題であることは議論の余地は無い。そこで、本研究は、強誘電体の物性と強い相関のあるドメインの生成過程をin-situ(その場)で観察し、ドメインの生成をコントロールするパラメータを明らかにし、所望の構造を有する強誘電体ドメインの生成を行い、これによりドメイン制御という新しい考えに基づく強誘電体物性制御技術の確立を目的に研究を行った。 PbTiO3エピタキシャル膜の製膜直後の降温過程のin-situモニタリングによりドメイン構造生成に薄膜中の応力変化が大きな影響を与えていることが明らかになった。そこで熱膨張係数の異なる基板を用い薄膜中に導入される応力量を変化させPbTiO3厚膜中のドメインに対する影響を調べた。その結果、圧縮及び引っ張り応力の印加される基板により膜中に生成されるa及びcドメインの量に変化があることがわかった。更に膜中に蓄積される応力を変化させドメイン構造を制御するために降温速度、圧力など雰囲気制御を行った。その結果、膜中応力状態を制御出来、a及びcドメイン量を変化させる事に成功した。本研究結果は、強誘電体材料を変えないでその特性発現の元となるドメイン構造制御による新規の物性制御方法として有効であり、強誘電体膜をデバイス作製において所望の特性を有する強誘電体膜作成技術として活用できると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)