2011 Fiscal Year Annual Research Report
分光立体映像再生のための超広帯域ヘテロダイン干渉計の開発
Project/Area Number |
22560031
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉森 久 岩手大学, 工学部, 准教授 (40322961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 亜紀子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (00357849)
|
Keywords | 画像・光情報処理 / ディジタル分光ホログラフィー |
Research Abstract |
自然光で照明された多色物体からの光波を干渉計測し、信号処理を施すことにより、多数の波長バンド毎の立体映像を同時に得る技術を開発する。測定用の特別な照明光を必要としないこのようなパッシヴ分光立体映像法を実現するために、申請者は2光波折り畳み干渉法を考案し、準単色点光源を用いた原理検証実験に成功した。この方法を多色で広がりのある一般の物体へ適用する場合、データ量が膨大、信号対雑音比が不十分、被測定物体を動かさなければならない、などの問題がある。本研究ではこれらの問題を解決するため、改良型2光波折り畳み干渉法と超広帯域ヘテロダイン変調技術とを融合させた新規な高感度干渉計測システムを開発し、高品質な分光立体映像の取得を試みる。 平成23年度は岩手大学で開発する第1干渉計を構築した。この干渉計の性能評価をおこなうための干渉計制御ソフトウェアの開発と予備的な基礎実験は、現在も継続している。当初予定した双曲線型体積インターフェログラムの実際的取得と、双曲線型体積インターフェログラムに対応した分光立体映像再生ソフトウェアを開発は来年度に持ち越された。 このように装置の開発は予定より遅れているが、新しい理論的・実験的研究成果も得られている。それらは新規な分光立体映像再生アルゴリズムの考案と計算機実験によるその効果の確認、新規なアイデアに基づく信号対雑音比の改善法の提案当が含まれている。また、代表者が考案した従来法による分光立体画像の高品質データの取得にも成功しており、これらはいずれも論文として本年度報告された。 産総研開発中の第2干渉計はほぼ予定通り完成しているが、岩手大学の第1干渉計と組み合わせたときに高い性能が発揮できるよう、今後双方を調整する必要がある。特に、第1干渉計との結合効率と結合に光りファイバーを利用した場合の群遅延特性がシステム全体の3次元結像特性と分光特性に与える影響の評価は、今後の研究方針を決定する上で重要であるので着実な評価をしたい。そしてその結果に基づいてシステムの総合的性能が予測される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度に開発予定であった干渉計の構成に問題のあることが判明し、これを回避するための設計変更・検証作業に時間がかかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
残された研究期間内に着実な研究成果をあげるよう引き続き研究を継続したい。産総研で開発中の第2干渉計は、岩手大学の第1干渉計と組み合わせたときに高い性能が発揮できるよう、今後双方を調整する必要がある。特に、第1干渉計との結合効率と結合に光りファイバーを利用した場合の群遅延特性がシステム全体の3次元結像特性と分光特性に与える影響の評価は、今後の研究方針を決定する上で重要であるので特に慎重な評価を下したい。
|
Research Products
(13 results)