2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームと表面プラズモンとの相互作用を利用した電磁波光源の開発
Project/Area Number |
22560036
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桑村 有司 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (10195612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 実 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (80110609)
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Keywords | 表面プラズモン / 電磁波光源 / レーザ |
Research Abstract |
ミリ波~光領域において,導波路設計を変えるだけで欲しい波長の電磁波を放射可能な電磁波光源を実現するため,真空中を進行する電子ビームと回折格子上の表面プラズモン(SPと略す)との相互作用を利用した波長可変可能な光源の開発を計画している,金属回折格子表面に沿って電子ビームを走行させると,電子が速度Veの縦波の電流源となり,速度VspのSP電界を励振してVe=Vspの条件でSPを発生し,端面または別の回折格子から光として取り出す新型光源である.初年度は,回折格子の作製と光領域において電子ビーム走行による銀金属回折格子/真空界面でのSP発生について調べてきた.半導体基板上にEB描画等を利用して周期400~500nmの凹凸構造とし,銀膜を蒸着して回折格子を作製した.電子ビーム走行により回折格子表面から上側へと回折される光スペクトルを観測したところ,従来から知られているスミス・パーセル放射の他にSP分散曲線と一致する光放射も観測されたが,その光強度は弱かった,このSPは,回折格子の上側へ放射するモードであり,提案している本来の表面波とは異なる.回折格子の作製が難航したため,当初の計画より遅れ,本来の表面波の観測については,実験準備を行っている段階である.一方,理論計算では,電子ビームの加速電圧と発生可能な光波長の関係が明確になり,また凹凸の高さを大きくすることが重要であることなどが分かった.
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