2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタマテリアルを利用した電磁波の速度制御とその応用
Project/Area Number |
22560041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北野 正雄 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70115830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 俊博 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30362461)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | メタマテリアル / 電磁誘起透明化(EIT) / 群速度 / 非線形効果 |
Research Abstract |
電磁誘起透明化現象(EIT)を模擬するメタマテリアル(EITメタマテリアル)の特性を動的に制御する方法とそれを利用した電磁波の保存および再生について研究を行った。EITメタマテリアルの特性の制御は、損失が大きく電磁波を吸収する共振モードと損失が少なく電磁波とは直接相互作用しない共振モードとの間の結合を変化させることで実現できる。本研究では、バラクタダイオードと呼ばれる印加電圧で容量を制御することができる素子をメタマテリアルに導入することで、この結合の制御を行った。バラクタダイオードによって、構造の対称性を制御することができ、構造が対称なときにはEIT現象は現れず、非対称な場合にEIT現象が現れる。マイクロ波領域での実験のためにプリント基板上にメタマテリアルを作成した。このメタマテリアル3層をマイクロストリップ線路型の導波路内に設置し、透過および遅延時間の測定を行った。この実験を通して、バラクタダイオードに印加する電圧を変えることで、EIT現象を制御できることを実証した。さらに、印加電圧を動的に変化させることで透過波の振幅を変調することにも成功した。このメタマテリアルの応用として、電磁波の保存と再生の実験的実証にも取り組んだ。実験によって、入射電磁パルスの一部をメタマテリアル内に保存し、一定時間後再生することに成功した。 以上の研究に加えて、EITメタマテリアルに非線形要素を導入し、効率のよい周波数混合を実現する方法について研究を行った。透明化帯域内にスペクトルをもつ2種類の周波数の電磁波をメタマテリアルに入射すること発生するサイドバンドを測定した。実験により多層化した場合に効率良く周波数混合が起こることが分かった。これにより、EITメタマテリアルの透明化現象により入射電磁波がメタマテリアルの奥まで浸透し、位相整合条件も満たしていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)