2011 Fiscal Year Annual Research Report
ロイドのミラー干渉を利用した半導体レーザのビーム整形に関する研究
Project/Area Number |
22560043
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
福嶋 丈浩 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00264911)
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Keywords | 半導体レーザ / ビーム整形 / ロイドのミラー干渉 / ビーム品質 / 遠視野像 |
Research Abstract |
我々は、半導体レーザから出力される楕円ビームを1枚の半導体基板を用いて真円に整形する簡単かつコンパクトなビーム整形方法を提案するとともに市販の半導体レーザを用いて動作の検証を行ってきた。本年度は、より実用的な観点から本ビーム整形方法の評価を行い実用化の可能性を検討した。まず、半導体レーザの発振波長の変化や縦モードの多モード化がビームの整形特性に与える影響を数値計算により評価した。一般的な半導体レーザは、温度や注入電流の変化によって発振波長が5nm程度シフトする。そこで、5nmの波長変化による整形ビームの放射角度と半値幅の変化を計算したところ、0.05°と0.06°と十分小さな値であることが示された。次に、単一モード発振の場合とモード間隔0.3nm、モード数11個の縦多モード発振の場合の整形ビームの放射角度と半値幅を比較したところ、その差は0.0002°以下と更に小さな値であることが明らかになった。以上の計算結果から通常想定される発振波長の変化や多モード化であれば、ビームの整形特性にほとんど影響を与えないことが明らかになった。 次に、ビームの品質について検討を行うとともに整形ビームをレンズで集光したときのビーム形状を観測した。まず、整形ビームの遠視野像の拡がり角とビームウエストにおけるビーム径を計算し垂直方向のビーム品質因子を見積もったところ、1.08という良好な値が得られた。次に、市販の半導体レーザに対してビーム整形を行い、レンズで絞ったビームの品質因子を測定したところ、1.24という値が得られた。計算に比べるとやや高い値を示したが比較的良好な値が得られた。最後に、整形ビームをレンズで絞り、ビーム形状を観測したところ、円形に近い単峰性のビームが得られることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究目的は、半導体レーザの発振波長の変化や縦モードの多モード化がビーム整形特性を与える影響調べることと整形されたビームの品質を見積もることである。前者については、ビーム整形特性に殆ど影響を与えないことを明らかにし、後者については、比較的良好なビーム品質が得られることを明らかにした。以上の結果から、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ロイドのミラー干渉で整形されたビームを光ファイバに結合させるための光結合系について検討を行う予定である。具体的には、鏡面のGaAs基板を用いて半導体レーザのビーム整形を行い、整形されたビームをコリメートレンズで一旦平行化した後、集光レンズを用いて光ファイバに結合させる。このような光結合系に対して結合効率を評価する。また、単一の屈折率分布型レンズと単一モード光ファイバを用いた簡単かつコンパクトな光結合系を設計し、数値計算により最大の結合効率を見積もる。さらに、レンズ長やレンズの角度ずれに対するトレランスを計算する。
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Research Products
(6 results)