2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560053
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
有吉 哲也 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助教 (60432738)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 裕 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (10325582)
馬場 昭好 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 准教授 (80304872)
|
Keywords | カラーセンサ / 色分離 / 側面照射 / MEMS |
Research Abstract |
従来の撮像素子はシリコン半導体から作製されたCCD 及びCMOS 撮像素子が主流であり、可視光から近赤外線の範囲の光(波長範囲:400nm~1100nm)を検知することができる。シリコン半導体を用いた撮像素子そのものには色の分光能力は無い。そのため、カラー撮影するために、別途カラーフィルタを装着したBayer 方式あるいは特別な製造プロセスを使って作製したカラー分離フォトダイオード方式がある。本研究では、別途カラーフィルタが不要で、通常のCMOS製造プロセスで作製でき、各色信号を容易に分離できる撮像素子を提案する。具体的には、光をシリコン基板の側面から入射させる方式で、光を検知するPN接合領域が光の入射方向に沿って形成された画素構造を有する側面照射型カラー撮像素子を提案する。 撮像素子のP型シリコン基板の表面上に、光の入射方向側から順番に、青色光(B)検出用N 型シリコン領域、緑色光(G)検出用N 型シリコン領域、赤色光(R)検出用N 型シリコン領域、及び近赤外光(IR)検出用N 型シリコン領域を形成する。これにより、シリコンに対する侵入長がそれぞれ異なる青、緑、赤及び近赤外光の各光を検出するPN 接合部が光の入射方向に沿って形成される。各PN接合領域からの光検出信号を元にカラー情報を導き出すことができる。作製したTEGチップに対して側面切り落としを施し、400nm~1100nmの単色光を照射して光分光特性を得た。青と近赤外についてはほぼ適切な分光特性を得たが、緑と赤については分光特性のピークが長波長側へシフトしていた。そこで、画素構造の改造を行い、新たなレイアウト設計を行った。各光吸収領域を20%ほど狭め、また各光吸収領域間隔も10%ほど縮めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光の入射方向に沿って、各光検出領域である4つのPN接合を形成するレイアウト設計を行った。固定パターンノイズを増加させることなく側面シリコンを切り落とし、400nm~1100nmの単色光を照射して色分離特性を得ることに成功したので、おおむね順調に進展していると言える。さらにより優れた色分離特性を得るために再度レイアウト設計を行い、画素領域の縮小化を図った。
|
Strategy for Future Research Activity |
より優れた光分離特性を得るために進めてきた画素領域縮小化を実証するTEGの評価を今後行う。また、光分離特性を得る際に必要な行列演算は今まではオフラインで行ってきたが、これを完全ハード化するTEGを設計し、動作の実証を行う。現状ではこの側面照射型カラー撮像素子はラインセンサしか構成できないので、積層化などで二次元的なイメージングを行うことが課題である。
|