2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波可視化・スペクトル解析ハイブリッド法によるOHラジカルの生成条件の最適化
Project/Area Number |
22560056
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 健 関西大学, システム理工学部, 准教授 (10370173)
|
Keywords | ソノルミネッセンス / ソノケミストリー / 超音波 / ポリエチレングリコール / ルミノール発光 / フレネル回折 / 光散乱 / 分光スペクトル |
Research Abstract |
超音波によるキャビテーションによる力学的作用(衝撃波,ずり),化学的作用(ラジカルの発生)及び熱的作用(高温・高圧場)の積極的な利用面に注目が集まる一方で,物理的立場から音響化学効果を詳細に研究した例は少ない.特に,高分子の分解・合成に深く関与していると考えられているラジカルに関しては,キャビテーションの発生条件を含めて未解明な部分が多い.本研究は,(1)ルミノール発光(∝ラジカル生成)観察と(2)音場の可視化及び(3)発光スペクトル解析の物理的3手法を同時に用いてキャビテーションとラジカルの発生機構の基礎的な解明を目指し,高分子分解等の応用面に新たな可能性を見出すことを目的している.本年度は,ルミノール発光と可視化実験を安定した条件で行うために,独自の超音波発生系の開発を行った。任意波形出力装置からの正弦波をバイポーラアンプで増幅し,各周波数の超音波振動子へ印加するシステムを構築した.駆動周波数に対するインピーダンスの完全な整合作業を行うことによって,大出力超音波を安定して発生させことが可能となった.超音波洗浄器等の既製品を購入して行う実験とは大きく異なり,周波数や超音波出力,振動子の形状等を任意に変更することが可能となった.これらシステム構築の結果,キャビテーションが生じている音場をフレネル回折法によって光学的に可視化することに成功した.液面のゆれやキャビテーションによる散乱の影響で,振動子面上方に限り安定した波面が観察できた.ルミノール発光実験において強く発光する箇所と相関があることが分かった
|