2012 Fiscal Year Annual Research Report
金融資産日中取引時間間隔と取引量の分布の研究とその応用
Project/Area Number |
22560059
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岸本 一男 筑波大学, システム情報系, 教授 (90136127)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 株式市場 / 日中株価変動 / 待ち行列 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
株式市場での日中の株価の動きを予測,あるいは後から説明する指標として,その日の現在の指値売り注文の量と指値買い注文の量のいずれが大きいかの比(あるいは何らかの意味で規格化された差)が考えられる.この指標と価格変動の方向とがどのような関係にあるかについて次の2つの見方がある. 1.指値買い注文が指値売り注文より多い(下板が上板より厚い)なら,買いたい投資家が売りたい投資家より多いのだから,取引価格は次第に上昇する 2.価格が上昇中の時は,買いたい投資家は(下板に)指値買い注文を出しても買えないので成り行き買いが多数となり,下板での注文は少なくなる.一方,売りたい投資家は,わざわざ成行注文を行わなくても(上板に)指値買い注文をして待っていれば売れるので上板で待つこととなり,上板が厚くなる. 概ね,素人は1を支持すると思われており,一方俚諺や専門家のコメントはしばしば2の可能性を強調する.申請者が過去に提案した取引モデルを下敷きにして,購入希望の投資家,売却希望の投資家,ランダムの売買をする投資家の3種類の投資家を入れてこのどちらかの見方が正しいかをモデルと実証によって確認した.結論は,次のようであった.完全情報を前提とした理論モデルでの分析では,解は状況に依存し,一方的な結論にはならない.一方,実証結果による分析では,取引価格水準が上昇する場合,価格上昇の時点では必然的に上板が消滅するので薄くみえることになり,その点をどのように評価するかが結論に大きく影響する.これに加えて,買い手が定常的に買い注文を入れると売り手が売らなくなるので,フェイントとしてわざわざ買い注文を減らした後,売り板が厚くなったところで一気に買いに行ったと思える現象も見られ,これらの影響を取り除く分析手法の検討も必要であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)