Research Abstract |
本研究では,加工食品の製造システム及び供給連鎖ネットワークについて,数学モデルの構築とアルゴリズムの設計を行う.当該年度の実施項目は,パッキングを軸とした製造システム関係で4項目(1-1各種数学モデルの構築,1-2アルゴリズムの設計,1-3マテハンの検討,1-4実装及び実験的性能評価),供給連鎖ネットワーク関係で2項目(2-1ネットワークの調査,2-2数学モデルの構築)であった.製造システムについては,動的計画法を基礎とした厳密アルゴリズムの設計及び計算手間の評価を行い,標準タイプのシステムを含め,実装においても高速計算が可能な数学モデルを明らかにした.一方で,理論的な計算手間が疑似多項式的であっても,将来,システムの機械的な性能向上の程度によっては,実行時間の観点から実装が躊躇われるアルゴリズムとなる数学モデルも見つかった.ただし,後者については,標準タイプの操作を仮想的に逐次化することによって,解の質を大きく損なうことなく,高速な実行時間を維持できることが観察されている.供給連鎖ネットワークについては,輸送問題の一種として定式化できる数学モデルとサブシステムの一つとしての二部グラフを用いた数学モデルを示した.一部先行して得られたものもあるが,前者の数学モデルについては近似困難性(具体的には,多項式的な計算手間での定数近似困難)の成果を,また,後者の数学モデルについては,ある固定された条件下で定数近似が可能であるという成果を得た.
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