2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560072
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 謙一 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50114278)
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Keywords | クリープ / 微小サンプル / 余寿命評価 / SP試験法 / 環境効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、微小領域を対象とした、高精度かつ合理的な高温クリープ強度試験法の確立である。微小サンプルを対象としたクリープ試験法には、標準試験片を相対的に小型化したミニチュア・クリープ(MC)試験、ディスク型試験片を用いたスモール・パンチ式クリープ(SPC)試験があるものの、何れも標準試験法がない。本研究では標準SPC試験法確立のため、試験結果に影響を与える種々の因子について実験的・解析的に検討した。 まず最初に、大気中でのSPC試験機を高真空下(10^<-3>Pa)で試験できるように改造した。改造試験機を用いた結果、板厚0.5mmのSPC試験片から極度の酸化減肉の影響を除去できたため、同一荷重条件下では真空中での破断時間が大気中でのそれに比して50%程長くなった。これは大気中での長寿命試験では約10%酸化減肉したことによる実応力の増加、負荷ボールとSPC試験片間の摩擦係数が低下したことに依る。SPC試験での破断時間と試験荷重との間にはMonkman-Grantの関係が、また最小変位速度と破断時間の間にべき乗則が成立することにより、SPC試験で余寿命推定を行えることが示唆された。同一破断時間に対する単軸クリープ試験と荷重応力比は、1.6~2.1となり、破断時間や試験雰囲気やダイ肩半径に依存した。材料学会・WG活動のラウンドロビン試験結果より、負荷ボール径やダイス肩半径の大小が試験結果に影響することが分かってきた。これらの影響を明らかにするため、有限要素法を用いてこれらパラメータを変化させて数値解析した。その結果、摩擦係数、ダイス肩半径が破断寿命に大きく影響することを示した。
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