2010 Fiscal Year Annual Research Report
常時接触ヘッド方式コンピューターハードディスクの摺動疲労損傷と寿命評価
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22560076
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
五嶋 孝仁 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (80109107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 理能 富山大学, 助教 (30313589)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 疲労 / 摩耗 / ハードディスク |
Research Abstract |
1.ハードディスクの摺動摩耗試験装置の試作 サーボモーター軸のミスアライメントを除去するためにフレキシブルカップリングを介し,その上に実際のコンピューターハードディスクをできるだけ水平を保つように設置し,試験装置全体を十分な剛性のアングルフレームで組立てた.アングルにはアルミニウム帯板状のヘッド用アームを設置しアーム先端にはステンレス製のボールを取付け,いわゆるPin-On-Disk摩耗試験機と類似した試験装置を試作した.ボール上に荷重を負荷できるようにし,摩耗量測定のため高精度レーザー測定器(キーエンス製LT900,精度10nm)をアングルに設置し,摺動痕を捉えられるように調整し,モニターにより摺動摩耗量を計測できるようにした 2.予備実験の試行と実験結果 手始めに100g,80g,60g,40g,20g,10gの6通りの荷重を負荷させて摺動摩耗量を測定した.なお,モータの回転速度を今回は500rpmとし,ヘッドの代用として用いた鋼球の直径は5mm,実際のハードディスクの直径は95mmである.100g-60gまでは摩耗量の変動にあまり変化はなく,1000回転で約5μm,3000回転以上で定常値に達し約8pmとなっている.40g,20g,10gの場合も1000回転ではほぼ同じ3μmとなっており,40gの場合は3000回転以上で定常値となり約7.5μmとなっている.20gの場合も3000回転以上で定常値となり約7μmとなっている.10gの場合は3000回転で約6μmとなっている.以上の実験結果より,一番小さい10gの場合でも,保護膜(約50nm),磁気層(約100nm),中間層(約300nm)をはるかに越え下地層(15μm)にまで摩耗損傷が到達していることになり,ヘッドの代わりに鋼球を用いた場合は,ハードディスクがクラッシュしないためにはさらなる荷重の低減が必要となることがわかった 3.ヘルツの接触理論による変位量の評価 ヘルツ接触による変位を計算した結果,変位量は9.15nmとなり,変位は保護膜の範囲内にあることがわかった
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