2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高速飛翔体衝突によるアルミニウム厚板のイジェクタ生成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22560078
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 政弘 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (60282828)
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Keywords | 超高速衝撃 / エジェクタ / クレータ / 温度環境 / 斜め衝撃 |
Research Abstract |
二段式軽ガスガンを用いて加速させたポリカーボネート球をアルミニウム厚板に超高速衝突させ,その時のイジェクタを詳しく調べた.4種類のアルミニウム合金(A1100-O,A1100-H,A6061-O,A6061-T6),直径95mm,厚さ40mmをターゲットとした.直径7.14mmのポリカーボネート球を用いた.衝突速度は4~6km/sであった.ターゲット前方50mmの位置に検証板を設置し実験を行った.検証板には銅板150×150mm,中心に飛翔体が通過する穴(直径30mm)をあけたものを使用した.また,飛翔体衝突後のエジェクタ挙動を高速度ビデオカメラ(Vision Research社製,Phantom V710)で撮影した. その結果,A1100のエジェクタが平らな形状であるのに対して,A6061のエジェクタは表面の凹凸が目立ち,厚みのある形状であることがわかった.この凹凸と厚みに関してはA6061の中でもO材よりT6材の方がより顕著であった.A1100-Oは最大長さとそれと直角方向の厚さの比が0.1以下の範囲で分布しているのに対して,A6061-T6のエジェクタはその値が大きく,0.1~0.5の範囲に主に分布していることがわかった.次に,ターゲットに形成されたクレータとエジェクタとの関係を調べたところ,クレータのリップ部がA1100では滑らかに捲れているのに対し,A6061では千切れたようになっている.このクレータのリップ部の形状と各エジェクタの形状が似ていた.さらに高速度ビデオカメラによる画像より,リップが形成されリップの先端からエジェクタが飛散している様子が確認できた.これらのことから,ターゲット由来のエジェクタのうち,大きなエジェクタは,リップが形成される渦程で発生していると考えられる.
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Research Products
(6 results)