2010 Fiscal Year Annual Research Report
力学的根拠に基づいた脊椎疾患治療用体内固定具の固定性評価
Project/Area Number |
22560079
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
稲葉 忠司 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70273349)
|
Keywords | バイオメカニクス / 脊椎不安定性 / 体内固定具 / 6軸材料試験機 / 実験力学 / 力学的・定量的評価 / 固定性 / 脊椎疾患治療 |
Research Abstract |
身体運動の軸機関および支持機関である脊椎の疾患に対する診断・治療において,脊椎の剛性を定量的に把握することは,適切な治療方針・手術手技を決定する上で極めて重要である.そこで本研究では,脊椎不安定性を力学的観点より定量的に明らかにすることを目的とし,研究代表者らが開発した脊椎強度測定用6軸材料試験機を活用することにより,複雑な脊椎変形挙動を精密かつ系統的な実験により調査する.特に,本科学研究費申請期間においては,脊椎疾患治療のための体内固定具を用いた各種の手術手技が損傷により生じた不安定性の解消にどの程度寄与しているのか,および損傷椎間への体内固定具の装着が隣接椎間にどのような影響を及ぼしているのかについて重点的に検討する.この目的を達成するため,本年度は,まず以下に示す試験機の改良を実施した. 損傷椎間への固定具装着が隣接椎間に及ぼす影響を調査するためには,多椎間脊椎を対象とした力学試験において,個々の椎体の変形情報を取得しなければならない.すなわち,これまでの単椎間の力学試験は,下位椎体を固定し,上位椎体に力学的負荷を加える試験であったため,脊椎変形挙動の計測はエンドエフェクタの位置情報より容易に行えた.しかし,試験体が多椎間になると,上端と下端以外の椎体(例えば3椎間ならば中央の2椎体)の位置情報を計測し得るシステムを導入する必要がある.そこで本研究では,個々の椎体の位置情報を得るための計測システムとしてビデオカメラと動画解析ソフトウェアを導入し,このシステムにより多椎間脊椎試験における変形挙動計測を実施した.その結果,導入した計測システムが,多椎間脊椎試験において個々の椎体の変形挙動を計測する上で十分な精度を有することを確認した.
|
Research Products
(6 results)