2010 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶金属材料の微視的不均質性評価による乱雑さと変形・損傷の相関
Project/Area Number |
22560080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (70191898)
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Keywords | 連続体力学 / 多結晶金属材料 / 不均質力 / エシェルビー応力 / 有限要素法 |
Research Abstract |
多結晶金属材料の形態の乱雑さを解析的に評価し,微視的変形ならびに損傷の蓄積との相関性を明らかにすることを目的として,エシェルビー力学に基づく不均質力の数値解析と多結晶体の変形観察を中心に検討する.当該年度では,実験装置まわりの整備と解析アルゴリズムの構築を中心に以下の結果を得た. (1) 銅およびアルミニウム試料作成と実験条件の策定:典型的な多結晶材料である工業用純銅ならびにアルミニウムについて,小型試験片を作成し変形に伴う表面観察を行うこととした.数%以上の比較的大きな変形領域では,現有のレーザー顕微鏡および電子顕微鏡によって試料の凹凸が容易に観察できることを確認した.今後,特定の結晶を追跡するために試料中にマーカーを入れて,典型的な数十個の特定結晶の不均質性の発展を実験的に検討する. (2) 不均質力の数値解析コードの作成:エシェルビーの形態力概念に基づく不均質性を定量化するための有限要素解析コードの整備を行った.ボロノイ多面体に基づいた多結晶モデルを作成し,結晶粒単位での不均質力評価,結晶間の界面における不均質力評価について,現有の有限要素解析コードにプログラムを追加して作成した.例として,多結晶体内部の不均質性と表面での不均質性を解析し,表面での不均質性が大きいことを確認した.(1)の検討項目で大きなひずみを対象とするため,有限変形に基づく解析コードに変更した.今後は,稜線と角点における不均質力を近似的に解析できるように,プログラムを変更する必要がある.解析での総自由度が大きくなりすぎないように,局所的な領域で要素を再分割することで対応する予定である.
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