2012 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶金属材料の微視的不均質性評価による乱雑さと変形・損傷の相関
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22560080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (70191898)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 連続体力学 / 有限要素法 / 多結晶材料 / 形態力学 / 弾塑性力学 |
Research Abstract |
多結晶金属材料の不均質性を理論的・解析的に定量化することを目的として,ボロノイ多面体モデルによる有限要素解析と不均質力の導出を試みた.得られた成果は以下のとおりである. (1) 多結晶体の界面にはエネルギー落差が生じる.不均質力はエネルギー落差(エネルギーの勾配)であって,破壊力学におけるエネルギー解放率と同様の意味を持つことを数値的に明らかにした.具体的には,破壊力学におけるJ積分の評価と同じアルゴリズムを用いることによって,異種材料間の界面に生じる不均質力を求めることを試みた.アルゴリズムの検証として,J積分の経路独立性を確認するとともに,3次元体中のき裂のエネルギー解放率の密度を算出した.界面における単位面積あたりの不均質力は,経路に独立であることを数値的に明らかにした. (2) 一般に界面不均質力は,き裂に比べて小さな値をとるものの,薄膜被覆された材料における熱応力誘起の不均質力評価においては,界面の凹凸および異方性の面内の組合せによってき裂におけるJ積分と変わらない程度の大きさの不均質力が生じることがわかった.これは,界面剥離の原因になり得ると考えられる. (3) き裂での不均質力はき裂長さによって整理されるが,2結晶間の不均質源である界面,さらには3結晶間の不均質源である稜線での,経路独立性を数値的に検討した.多結晶モデルの界面および稜線における不均質力を統計的に調べたところ,界面では面積で除すことによって,経路/要素に独立であることがわかった.さらに稜線については,数値積分での領域内にある界面の影響によって変動するものの,稜線の長さで除すことによって,経路/要素に独立と考えられることが示唆された.今後は,4結晶粒間の不均質源である角点の評価が課題となる.さらに,それらが特定の不均質性のもとで大きな値をとる因子分析を進める必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)