2010 Fiscal Year Annual Research Report
静的および衝撃荷重を受けるナノコンポジット接着接合の特性改善
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22560082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
澤 俊行 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60107216)
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Keywords | 接着 / ナノコンポジット / 応力解析 / 充填物 / 突合せ継手 / 継手強度 / ナノクレイ / 特異応力 |
Research Abstract |
本研究では、接着層内にナノ充填物を有する接着継手に静的及び衝撃荷重が作用するときの接着層界面及び充填物周縁における応力分布に関して研究を行った。得られた結果は以下のとおりである。(1)ナノ充填物を有する接着層の基本的材料特性を得るため、ナノ充填物を有する接着剤バルク試験片を用い応力-ひずみ線図を実験的に求めた。得られた実験結果からナノ充填物の種類とその充填率が同線図に及ぼす影響を調べた。ナノ充填物は酸化アルミニウム・CNF・ナノクレイの三種類を用いた。その結果、酸化アルミニウム・CNFにおいて充填率の増加に伴い、接着層の見かけの縦弾性係数は増加し、一方ナノクレイでは縦弾性係数は減少することが分かった(2)継手の形態を円柱型突合せ接着継手とし、静的引張荷重が作用するとき、有限要素法を用いて解析を行い、同充填率において、充填物の寸法(直径)が接着層界面及び充填物周縁の応力分布に及ぼす影響を調べた。その結果充填物の直径が小さくになるほど、また縦弾性係数の大きくなるほど、接着層界面端部に生じる特異応力は減少し充填物周縁の応力が増加することが分かった。(3)(1)で得られた各充填物・充填率におけるナノ充填物を有する接着層の材料定数を用いて、接着層内にナノ充填物を有する円柱型突合せ接着継手の強度推定方法を示した。(4)各充填物・充填率において突合せ接着継手の破壊試験を行い、解析結果と実験結果両者の継手強度を比較したところ、低充填率において両者はかなり良く一致し、ナノ粒子の充填によって継手強度が向上することが示された。一方、高充填率において実験結果は解析結果に比べかなり小さい値を示した。(5)ナノ充填物の形状及びその寸法が継手強度に及ぼす影響について実験的に調べ、その結果、各ナノ充填物で継手強度が改善する充填率が異なることが分かった。
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