2010 Fiscal Year Annual Research Report
異なるガス環境における疲労き裂伝ぱ速度の統一的評価とその限界
Project/Area Number |
22560085
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾田 安司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20091340)
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Keywords | 金属疲労 / き裂伝ぱ速度 / 水素 / すべり / その場観察 / 環境疲労 |
Research Abstract |
ガス環境中における疲労き裂の伝ぱ速度をき裂先端のすべりを用いて評価するためには、ガス環境中で進展中の疲労き裂を直接観察すること、特に高い倍率で観察することが有効である。しかしながら、そこには技術的な困難さがある。そこで、本研究ではガス環境中の疲労き裂伝ぱ過程をその場で観察できる装置を開発し、疲労き裂伝ぱ速度とき裂先端近傍のすべりとの関係を明らかにする。本年度は主として、試験装置の設計および製作を行った。試験装置は、疲労試験機、ガス環境用チャンバーおよび観察用の顕微鏡からなっている。 疲労試験機:試験機の駆動にはステッピングモータを用いた。回転運動を、ボールねじを介して往復運動に変換した。疲労試験は板材、CT試験また試験ジグを変更することにより曲げ疲労試験も可能となるようにした。荷重容量は約1500Nである。 環境ガス用チャンバー:真空用のキューブ、短菅等を購入しそれと自作の疲労試験機フレームと組み合わせることで環境ガス用チャンバーとした。観察用窓に関しては、次年度作製とする。封入するガスの圧力は絶対圧で約0.12MPaまで可能である。 観察装置:組込み顕微鏡用部品を購入し、自作のステージに載せるようにした。観察倍率は500倍まで可能である。 試験材料として二つの材料を検討した。一つは3%シリコン鉄の単結晶薄板で、き裂面に対称なすべり方向、すべり面を有しており、き裂伝ぱの研究に適している。二つ目は、純鉄粗大粒を(単結晶と見なせる)、ひずみ焼鈍し法を用いて作製した。適切な方位とするためには工夫が必要である。
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