2012 Fiscal Year Annual Research Report
異なるガス環境における疲労き裂伝ぱ速度の統一的評価とその限界
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22560085
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾田 安司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20091340)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 金属疲労 / 環境疲労 / き裂伝ぱ / 水素 / すべり / その場観察 |
Research Abstract |
1.その場観察が可能な自作の疲労試験装置については、水素ガス、窒素ガス等の配管を行い、完成した。環境としては、水素ガス、窒素ガス(アルゴンガス)および大気が可能である。ガスの圧力は絶対圧力で0.12MPaである。観察装置としては、光学顕微鏡で500倍まで可能で、CCDカメラを取付け静的にあるいは動的に観察可能となっている。 2.疲労き裂伝ぱ挙動に関しては、低炭素鋼S10C焼きなまし材を用いて、水素ガス中での疲労試験において、ぜい性ストライエーションがどのようなところで発生するか調査した。疲労破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果、初期のぜい性ストライエーションは、粒界、粒界三重点近傍などにおいて点発生的に開始していることが分かった。き裂伝ぱ速度が速く、ぜい性ストライエーションが支配的となったところでも、ぜい性ストライエーションの発生は点発生的であった。ぜい性ストライエーションが発生し始める直前は、通常の延性ストライエーション(粒界割れも少し観られる)領域であり、き裂前縁は、一様に進みやすいと考えられ、き裂先端近傍からのすべりでき裂伝ぱ速度が評価できる可能性がある。 3.ぜい性ストライエーションの発生に局所性が認められることから、多結晶材料であることは大きな意味があると考えられるが、純鉄多結晶微小CT試験片を用いた疲労き裂伝ぱにおけるき裂先端近傍のすべり挙動のその場観察を行った結果からは、試験片表面におけるすべり形態は複雑で、疲労き裂伝ぱ速度を定義する“有効すべり”の定量化は困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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