2012 Fiscal Year Annual Research Report
鉄系およびNi-Ti系合金における擬弾性効果発現条件の探求とそのメカニズムの解明
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22560091
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
納冨 充雄 明治大学, 理工学部, 教授 (70218288)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 形状記憶合金 |
Research Abstract |
1.Ti-Ni系形状記憶合金のマルテンサイト変態に対する熱力学的検討:変形状態の異なるTi-Ni合金に対して示差走査熱量測定をおこなった.その結果,形状記憶効果を示す逆変態温度はひずみによって高温側に推移し,その開始と終了の温度間隔は小さくなった.さらに,変形による残留ひずみエネルギとDSCによって得られた逆変態での吸収熱量の和は,残留ひずみエネルギの量によらずほぼ一定の値となり,無負荷の状態に対して約7J/g程度のエネルギ損失が生じた. 2.相変態のモンテカルロシミュレーション:古典的なレナード・ジョーンズポテンシャル(LJP)を改良した2種類のポテンシャル関数を提案し,FCC-BCC変態のシミュレーションを行った.新しく提案されるポテンシャル関数は①LJPに第二近接原子に相当する修正項を加える,②磁性のシミュレーションで用いられるイジングモデルをLJPとカップリングする.である.後者は新しい経験的ポテンシャル(LJIP)である.このLJIPを用いてBCC構造の相変態モンテカルロシミュレーションを行った結果,高温においてFCC構造を確認した. 3.FeNiとNiZnの形状記憶・擬弾性効果について:鉄系形状記憶合金として,Fe-30Ni系合金を実験に供した.焼入れ,焼き戻し,サブゼロ処理等の熱処理を施し,力学試験によって形状記憶・擬弾性効果を検証した.その結果,応力-ひずみ関係からわずかではあるが擬弾性の現象を確認した.Ni-Zn合金は,融点の差が大きいため従来の溶解法では合金化が難しい.そこで,メカニカルアロイング法(MA法),ホットプレス,焼結法を用いることで円柱状試験片の作製が可能となった.さらに,マルテンサイト変態点温度を低下させるためにAlを添加し,DSC測定によってAl添加量の増加とともに変態点温度が低下することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)