2011 Fiscal Year Annual Research Report
過酷環境下で熱・機械的負荷が繰り返し作用する異材固相接合部品評価法の開発
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22560093
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 剛 釧路工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50435393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 義孝 釧路工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90232701)
長澤 徹 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (90109489)
木村 真晃 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科・機械系工学専攻・機械工学部門, 准教授 (90285338)
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Keywords | 摩擦圧接 / アルミ合金展伸材 / 時効熱処理 / 機械的特性 / 異形状接合 / 接合界面 / ピストン / 部分的材料置換 |
Research Abstract |
研究目的/アルミ合金(AC8A)ピストンに対して熱・機械的負荷の厳しい燃焼室付近に強度的に優れ,アルマイト処理に適するアルミ合金展伸材(A6061)を摩擦圧接により接合し,従来の鋳物の欠点を払拭し,耐久性向上を目指す. 2年目の主として得られた知見を挙げると以下のとおりである. 1.アルミ合金(AC8A)母材の熱処理条件の検討(H23.9~H23.12) 初年度は,ピストントップ部に適用するA6061の適切な熱処理条件を検討した.今年度は,その熱処理条件をピストン母材のAC8Aに適用したときの機械的強度について検討した.その結果,A6061にとって適切な条件は,必ずしもAC8Aにとっては適切ではなく,AC8A-T6本来強度よりも明らかに低下することが分かった.むしろ,AC8A適切条件を課した方がA6061に対して,強度低下幅が小さくなることが確認できた. 2.製法の異なるアルミ合金(AC8A)特性比較(H23.5~H23.12) これまでの試験片は溶湯鍛造で作られたAC8A材料を使用していたが,実際のAC8Aピストンは重力鋳造で作られる.そのため,大型ピストンより切り出した実体試験片を用いて機械特性試験を実施した.その結果,溶湯鍛造材と実体試験片に強度的に優位な差はないことが確認できた. 3.異形状部品の摩擦圧接に関する接合性検討(H23.5~H24.2) 自動車用ピストンを作成する場合,ピストントップを中実材に,スカート付近を中空材とした接合となる.この可能性について簡易形状を用いて検討した結果,圧接を行った全て条件で継手に圧接面の移動現象による欠陥が生じた.また,引張試験を実施すると全てこの欠陥部で破断したので,形状変更が必要となることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.普通旋盤を摩擦圧接機への改造するためのノウハウの欠如と,大型部品を加工できる工作機械の確保が困難なため. 2.共同研究者が担当する回転曲げ疲労試験機が不調で,計画通りに試験が行えないこと.
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Strategy for Future Research Activity |
1.摩擦圧接機への改造のための部品加工は,外注或いは共同研究者に依頼して挽回を図りたい. 2.回転曲げ疲労試験機に修理については,メーカーに依頼する予定.
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