2012 Fiscal Year Annual Research Report
等方加圧による高密度ナノ有機半導体薄膜の創製と圧子押込みによる曲げ強度解析
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22560094
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
金成 守康 茨城工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70331981)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機・分子エレクトロニクス / ナノインデンテーション / 曲げ強度 / 密度 / 弾性率 / 硬さ / 等方加圧 |
Research Abstract |
本研究の目的は、EL発光、太陽電池、トランジスタ機能を有するナノ有機半導体薄膜を等方加圧(CIP)を用いて高密度化して、その力学特性の改善を検証することにある。平成24年度は、ペンタセン薄膜についてCIP処理を用いてポア(空孔)のみを潰す高密度化を試みた。ペンタセン薄膜は、降伏応力が高く常温では高密度化が起こらない可能性があるため、常温に加えて、80℃に加熱した場合についてもCIP処理を併せて試みた。 常温において圧力200MPaのCIP処理をした薄膜の膜厚は、アズコート膜と同じ870nmだった。さらに、CIP膜の押込み弾性率と押込み硬さは、アズコート膜の弾性率15.2GPaおよび硬さ0.643GPaとほぼ同じだった。これらの結果から、215MPaの高い降伏応力を有するペンタセン薄膜においては、常温CIP処理では膜の高密度化が起こらないことが分かった。80℃加熱後にCIP処理した薄膜の膜厚は、770nmでありアズコート膜より11 %高密度化された。同薄膜融点300℃の62%である加熱温度が膜の降伏応力を低下させために、降伏応力以下の圧力においても気孔の圧壊が起きたことが分かる。一方、加熱・CIP膜の弾性率と硬さは、ほとんど変化しなかった。高密度化の発現にもかかわらず力学的特性に変化がなかった原因は、ペンタセン薄膜は、既に40%の高密度化が確認された無水フタロシアニン(H2Pc)薄膜と比べて、アズコート状態においても気孔が少なく密度が十分高かったために高密度化の効果が力学特性に現れなかったものと推測される。これは、ペンタセン薄膜の弾性率と硬さが、H2Pc薄膜のそれぞれ3.1倍および4.0倍と十分高いことからもよく理解できる。 研究計画に従って、これまで得られた有機半導体薄膜の高密度化に関する研究成果を総括して日本機械学会が共催した国際会議(ASMP2012)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)