2012 Fiscal Year Annual Research Report
表面波から板波への遷移波を利用したGFRP貯槽の長期耐久性評価
Project/Area Number |
22560095
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
和田 明浩 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60321460)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 構造力学 / 超音波検査 / 複合材料 |
Research Abstract |
研究期間の最終年度にあたる本年度は,昨年度までに提案した内面劣化評価指標の有効性を検証するため,内面劣化状態が異なる複数のGFRPサンプルを人工的に作成し,これらに対して板面内方向および板厚方向の超音波計測を行い,劣化進行と超音波測定結果の相関を調査した.その結果,入力周波数を変化させても板面内方向の伝播速度に大きな変化は見られず,波の浸透深さに基づく内面劣化評価が困難であることがわかった.一方,昨年度提案した板厚方向に伝播させた超音波の反射係数分布を評価したところ,劣化進行に伴い内面付近の反射係数分布が低下する傾向が見られ,内面劣化と良い相関があることが確認できた.しかし,この測定法は試料と探触子の接触状態の変化に敏感であり,測定誤差が生じやすいという欠点がある.そこで,本研究では信号の定量分析に適したAcousto-Ultrasonicパラメータを劣化層からの反射波分析に適用し,スペクトル線図の図心位置に相当するA2パラメータ,およびスペクトル線図のねじれに相当するA4/A3パラメータが内面劣化進行の評価に適していることを見出した.また,A2,A4/A3パラメータは試料と探触子の接触状態の変化に鈍感で,測定誤差の少ない評価指標になること,および同パラメータと材料の残存強度には良い相関があることを確認した.最後にGFRP貯槽実機での検査を想定して,内面のみを水に接触させた状態で超音波測定を試みたが,劣化検出精度の低下が生じ現実的ではないことがわかった. 以上の研究成果より,GFRP貯槽の検査では内部溶液の抜き取り後の検査が推奨され,内面劣化の初期段階においては板厚方向の反射波分析が有効であること,およびAcousto-Ultrasonicパラメータを導入することで検査精度の向上が期待できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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