2012 Fiscal Year Annual Research Report
歩行者事故における胸部傷害発生メカニズム解明のための生体力学的研究
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22560101
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Research Institution | 交通安全環境研究所 |
Principal Investigator |
松井 靖浩 独立行政法人交通安全環境研究所, その他部局等, 研究員 (00426230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 幸治 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80335075)
一杉 正仁 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90328352)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体力学 / インパクトバイオメカニクス / 交通事故 |
Research Abstract |
本研究の目的は,胸部の傷害が発生するメカニズムを解明することである.本年度は,車両との衝突により我が国で実際に発生した死亡歩行者に着目し,マクロ事故データにおける胸部傷害の発生状況を調査した.マクロ事故データには,被害者が死亡した場合,解剖等により警察官と医師が損傷主部位(体の中で最も傷害レベルの高い部位:頭部,胸部,脚部,等)を決定し,その加害部位も含め事故の詳細記録情報が含まれている.解析対象車種は,セダン,ミニバン,1Box,軽乗用車,軽貨物車とし,歩行者の各損傷主部位の占める割合を調査した.解析対象年は,1999年,2009年に発生した事故とした.1999年と比べて2009年の事故では,セダン(8→13%),ミニバン(12→19%),軽乗用車(8→19%)において胸部傷害の占める割合が増加していた.歩行者頭部保護の技術基準が2005年に導入されボンネットが安全化されたため,損傷主部位の中で歩行者頭部の占める割合が減少している.一方,胸部の占める割合は微増していることが実際の死亡歩行者事故データより判明した.特に,65歳から75歳の高齢者では,車両走行速度が低い場合(30 km/h以下),高い場合(31 km/h~60 km/h)と比べて胸部傷害の占める割合が有意に高くなっていることが判明した.特に高齢者は,骨密度の低下に伴い胸郭の耐性値が低くなる傾向にあり,衝突速度が低い場合でも高剛性の路面と衝突することより胸部が損傷を受けることを示唆された.このように,これまで交通外傷の分野で不明であった歩行者の胸部傷害発生メカニズムが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)