2010 Fiscal Year Annual Research Report
超平滑化におけるメカノケミカル反応の第1原理電子状態解析と加工技術開発への適応
Project/Area Number |
22560103
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
澁谷 秀雄 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80303709)
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Keywords | 超平滑化 / メカノケミカル反応 / 第1原理計算 / 電子状態 / 加工技術 / 研磨 / ポリシング / 超精密 |
Research Abstract |
近年,SiCなどデバイス特性に優れる反面,非常に加工が困難である材料に注目が集まっている.その実用化には難加工材料の超平滑加工技術の確立が必要不可欠である.このような材料の超精密平滑化には砥粒と加工物が反応するメカノケミカルポリシングが有効である.しかしながら,これらは経験的・実験的に見いだされたものが大部分であり,未知の材料に対して理論的・定量的に取り扱う手法を確立することが必要不可欠である. そこで本研究では,メカノケミカル反応を理論的・定量的に取り扱いことを目的として,第1原理擬ポテンシャルバンド計算を用いた砥粒-加工物接触点近部の電子状態解析を行う. まず初めに,メカノケミカル反応に関する実験的・理論的研究が多くなされているバルクSiについて計算を行い,計算の正当性について検討を行った.その結果,これまでに報告がなされているものとほぼ同じバンド構造が求まり,正しく計算が行われていることが確認できた. これまでに,硫酸バリウムを砥粒とする砥石でシリコンウエハを研削すると,鏡面が創成される際にのみ臭気が発生すること,その臭気はSO_3であることを実験的に確認している.ここで,硫酸バリウムがシリコン表面の酸化物と反応しているとすると,BaSO4+SiO2→BaSiO3+SO3の固相反応が生じていると考えられる. 今後,バルクSiに数層の酸化物層を形成したモデルを作成し,硫酸バリウムとの反応をシミュレーションする予定である.
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