2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高アスペクト比垂直配向カーボンのチューブの合成とその樹脂基複合材料への適用
Project/Area Number |
22560105
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安原 鋭幸 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (70282829)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 複合材料 / カーボンナノチューブ品質 / 機械的特鋭 / 電気的特性 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
平成25年度はカーボンナノチューブ(CNT)を,フェロセンを触媒,トルエンを炭素原料として管状炉を用いた熱CVD法で合成し,シリコン基板上に4時間で約2mmの長さのCNTを得ることに成功した.管状炉の設定温度は760℃である.合成したCNTの直径は約40nmであり,ラマン分光分析によるID/IG比はおよそ0.86程度であった. このCNTを複合材料のフィラーとして用い,複合材料の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した.マトリクス樹脂にはポリカーボネート(PC)を用いた.CNTの濃度は10wt%とした.まず機械的に溶融混練する方法(ランダム配向試験片)について検討を行った.ランダム配向試験片の場合の熱伝導率は,約0.14W・m/Kであり,PCのみの場合より1.4倍ほど高くなった.この方法は垂直方向に成長したCNTの配向を乱す.そこで,CNTをセグメント状に合成して,その隙間からTHFに溶解したPCを流し込むことでCNTの配向性を保ったまま複合材料化できるように複合材料の成形法を改良した.まず,シリコン基板上に銀ナノインクを1mm間隔の碁盤目状に描画し,その部分にはCNTが成長しないようにした.線の部分の幅は約0.1mmとした.上述の条件で同様に熱CVD法によりCNTの合成を行った結果,描画形状とほぼ同じ形状のCNTがセグメント状に成長した.この一軸配向試験片について熱伝導率を測定すると0.36W・m/Kとなり,PCのみの場合より3.6倍,ランダム配向の試験片の約2.5倍の熱伝導率を得ることできたが,EMA法による予測値の1/30程度であった.今回の実験値が,予測値と比較して大幅に小さくなった原因として,試験片上下面の樹脂層が絶縁的な働きをしていることが挙げられる.またCNT内に完全に樹脂が含浸していないため機械的強度が低下するなどの問題があるためその点も今後の検討課題である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)