2011 Fiscal Year Annual Research Report
多軸子制御加工のための工具姿勢の数理モデルによる最適化
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22560107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋野 励 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80273762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
社本 英二 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20216146)
鈴木 教和 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00359754)
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Keywords | 多軸工作機械 / 工具姿勢 / 数理モデル / 最適化 / 線形計画法 / 衝突判定 / CAD/CAM |
Research Abstract |
並進3軸に加え,姿勢変化のための2軸を備えたいわゆる多軸工作機械を用いた加工を前提とし,加工時の工具姿勢を計画するための手法の検討を行った.従来から知られている工具姿勢を計画するための手法に比べ,本課題において提案する手法は,線形制約式に基づいた数理計画法を利用することに独自性を有する.本年度は.主として以下点について検討を行った. 工作機械が備える回転2軸により制御される工具姿勢は,正弦値および余弦値を値にもつ変換行列によって与えられる.そのため,姿勢変化を考慮に入れた計画は,非線項を含む制約条件を扱わなくてはならない.本課題では,最適化手法として多くの知見が得られている線形計画法を利用するために,姿勢変化を与える変換行列の成分に求められる連立線形不等式による制約式として表現することを可能にした.また,この変換行列による写像の結果得られる工具形状情報に対し,加工対象物の形状情報を利用することにより,加工中の工具と加工対象物との干渉条件についても,同様の連立線形不等式による制約式を導いている.本年度は,これらの制約条件に対し,姿勢変化量の最小化を目的とした最適化問題を準備し,汎用の最適化ソフトウェアにより最適解を求めることが可能であることを確認した. 一方,正弦値および余弦値をそのまま2次の制約条件として扱う方法についても検討を行った。この検討により線形化による最適化手法の比較を行うことができる.本手法は,汎用の最適化ソフトウェアを使用することができない一方で,メタヒューリスティックなどの最適化手法の適用が可能になり,計算規模の大きな問題に対する効果が期待できる.次年度以降は,構築した最適化手法について,応用的な検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の機械加工による検証が計画に対して遅れている反面,非線形最適化を行うための検討を行うことができ,より現実的な規模の問題を扱うための準備が行うことができている.
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Strategy for Future Research Activity |
最適化問題は,数学的な取り扱いと理解が求められ,実際の加工現場において用いるためには,手法の独自性や有効性とは異なる次元の取り組みが求められる.今後,データ入力などの簡便化に加え,ユーザインタフェースに関する基本的な検討を行う予定である.
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Research Products
(5 results)