2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲垣 耕司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50273579)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超精密加工 / 第一原理計算 / ワイドバンドギャップ半導体 / 触媒援用加工 / エッチング / 解離吸着 / 触媒 / 反応バリア |
Research Abstract |
本研究では触媒基準加工法の第一原理シミュレーションを行い、エッチング初期プロセスを明らかにした。 高濃度HF水溶液中でのSiCのCAREエッチングについては、ステップ端へのHF分子解離吸着過程の活性化障壁の高さにより解析した。ステップエッジのSiにFが吸着して下層のCとの結合が弱体化し、そのCにHが結合して起こるHF分子の解離吸着過程がエッチングの初期過程の有力な候補であることが分かった。また、Cを終端化する過程で、液体水中の水分子間をHがプロトンリレーによって移動して起こる過程や、近接するPtにより障壁が低下することが明らかとなった。前者はHF分子の間接的な解離吸着を意味し、HF分子がイオン化している高濃度HF水溶液中でエッチング速度が高いという実験事実と合致しており、反応メカニズムの基礎的な部分を明らかにできたと考えている。さらに高濃度HF溶液中でのHF分子の状態を詳しく調べる計算に着手した。この部分は今後さらに研究を進める必要がある。 水中でのGaNのCAREエッチングについては、表面ステップ構造およびキンク状構造上での水分子解離吸着過程を調べた。GaNの表面構造は実際の六方晶と簡略化した立方晶でほぼ同じであるため計算量が少ない立方晶を用いた。まず水中での表面終端構造として、表面Ga原子4つに3つがOH終端、1つがH2O終端であることを明らかにした。次にH2O分子が解離吸着する過程を解析し、Ga-Nバックボンドに直接H2Oが解離吸着する過程よりも、水クラスターを介してエッジGa原子にOH、テラス上Ga原子の終端OHにHがそれぞれ解離吸着する過程の活性化エネルギーが低いこと、Pt触媒の存在によりNをH終端する反応の活性化障壁が低下することが分かった。GaNについても実験と対応する結果が得られており、エッチング初期過程を明らかにすることができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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