2011 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧グロー放電プラズマを利用した酸化亜鉛薄膜の高速大面積作製技術開発
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22560113
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
須崎 嘉文 香川大学, 工学部, 教授 (60206456)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 誘電体バリア放電 / グロー放電 / 透明導電性薄膜 / 大気圧CVD / 有機錯体材料 / ガス流れ / 大面積成膜 |
Research Abstract |
液晶ディスプレイや太陽電池などの大面積化、あるいは、タッチパネルの普及に伴い、例えば透明で導電性のある薄膜を大面積に安価に作製する方法が求められている。ところが一般的成膜に用いるグロー放電プラズマの発生には真空装置が必要であることから装置が高価になり、その内部での成膜工程は低価格化のネックとなっている。この問題解決には真空装置を用いないことが一番である。そこで我々はこれまでに、大気圧開放下でグロー放電プラズマを発生するトーチを開発し、そのプラズマに原材料を導入することで酸化亜鉛(ZnO)薄膜を作製できる装置を設計試作した。大気圧開放下での成膜システムである事を利用して、大面積に均一に薄膜を作製することを目的としている。 平成23年度については、スリット幅を100mmに拡大した装置について、端から端までの均一成膜を目標として、まず、ガス流れについて流体用計算ソフト(フェニックス)を用いた理論計算を行った。昨年までの研究により、ギ基板に対して垂直方向の流速成分が薄膜の成長速度に影響を与えることがわかっていたため、理論計算によってギャップの大きさ、プラズマトーチ内のガスが流れる部分の構造の検討を行った。この計算結果を基にして、装置の改良を行った。連続薄膜が可能か、あるいは不連続な薄膜が得られるかを調べるため、走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いた薄膜表面微視組織の観察、および、AFMを用いた薄膜試料表面の原子オーダーの形状測定を行った。電気伝導度、および、透過率の測定は現有の装置を用いて評価を行った。結果として、均一膜厚さの薄膜が得られることがわかっり、大面積成膜について可能なことがわかった。今後、さらに装置の改良を行い、目的を達成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガス流速の理論計算を行い、装置の改良を行い、実際に薄膜の作製実験を行うことによって良い結果が得られた。当初の研究目的であった、薄膜の大面積化が可能な装置を作ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大面積成膜が可能となったが、薄膜の成長速度の向上、および、薄膜の品質(物性)の向上が次の課題である。基本的には、これまでの研究手法と同様な方法で、条件設定を行えば、目的が達成できると考えている。実際の薄膜作製実験、および、薄膜の物性評価を継続して行っていく。
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Research Products
(10 results)