2011 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー吸収性を有する超軽量ポーラス金属の高機能化に関する研究
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22560114
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉村 英徳 香川大学, 工学部, 准教授 (30314412)
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Keywords | 超軽量 / ポーラス金属 / 金属中空球 / 串団子状中空体 / 固化成形 / 衝突エネルギー吸収 / 曲げ強度 / 圧縮強度 |
Research Abstract |
本研究は、高比剛性、高エネルギー吸収性を有する新超軽量ポーラス金属材料の開発にあり、鋼管から型内にてバルジ加工を施して、串団子状に中空球(MHS)が並んだ中空構造体を作製し、それを積層・固化成形することによって新材料(串団子状雌S成形体)を作製している。H23年度は、積層方法による性能制御性を確認することにある。 H23年度前半では、私研究の鈴形L田S成形体において成功したブレージング法を串団子状MHSに適用して検討したが、素材がステンレス材ということ、Snメッキが酸化により高温まで溶融しないことが明らかになり、高真空が必要であることが分かり、保有の焼成炉やこのような特殊なことを引き受けてくれる外注先がないことから、手作業での積層固化方法になっているのが現状である。 ただし、手作業での固化成形によるものの、積層間隔を拡げることによって、従来のポーラス金属と異なり、密度制御を大きくするだけでなく、内部での串団子MHSに曲げ変形挙動を導入できることを明らかにし、良好な圧縮特性を示すことが明らかとなった。また、圧縮変形に対し、2段階の一定応力ステージを付与することができ、人体衝撃と対物衝撃の2段階の性能を与えることが可能になった。 また、曲げ試験片を作製して、3点曲げおよび4点曲げにより曲げ性能を確認した。曲げ変形が進むにつれて荷重が低下する従来ポーラス金属や自動車用フレームのような従来中空部材に対し、荷重低下がなく、高い曲げ衝撃エネルギー吸収性能を有することが確認できた。また、ただし、高剛性とは言い難く、薄肉外套と接合することによって高剛性になるかどうかの確認が必要であると思われる。 FEM解析について、要素数の問題から大規模解析は無理なものの、周期対象モデルによる圧縮と簡易な曲げは可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
性能評価や変形挙動解析は計画以上に進展しているものの、固化成形技術が設備的に困難にあり、他の接合方法や接合無しでの性能向上方法を早期に解決しなければ今後の研究進展に支障が生じる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
クラッシュボックスやバンパー、ピラーなど実部品の簡易モデル(1/2サイズ)などを作製するにおいて、固化成形法がネックになる。研究費申請などを行い、高真空かつ簡易モデルが入る程度の炉の購入を促進すると共に、接着剤等で外套材で接合することなどで回避できるかについて調査し、最終年度の目標である実用化技術開発を促進する。
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