2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560115
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
水垣 善夫 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50174016)
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Keywords | エネルギー解析法 / 切屑流出角 / 切削抵抗 |
Research Abstract |
研究目的:切削モデル平面決定の基礎資料を得ることを目的に、傾斜切削における切屑流出角度と合成切削抵抗方向を測定し、切屑流出方向に関するColwellの経験則の適用範囲を検討する。 研究内容:初年度(H22年度)は切屑流出角度の測定実験を行った。測定を容易にするために、ボールエンドミル切れ刃形状を模して拡大した切れ刃スケールモデルを作成し、そのすくい面上で切屑が流出する方向角をデジタルハイスピードカメラにより測定した。実験は5軸制御マシニングセンタのパレット上に切れ刃スケールモデルとカメラを固定し、主軸に取り付けた薄い円盤状の被削材を回転させて傾斜切削を行った。 実験結果と考察:実験は、被削材2種(ジュラルミンA2017、六四黄銅C2801、共通寸法:直径120mm、厚さ3mm)、切れ刃スケールモデル(高速度鋼、曲がり刃半径90mm、すくい角0°、逃げ角10°)、切削条件(切削速度124m/min、送り40mm/min、切り込み0.12mm/rev、切り込み角-15°~15°、すくい角-5°~5°、ともに5°間隔)で行った。デジタルカメラ画素数と撮像領域の関係から測定精度は約0.3°であった。ジュラルミンの実験では、切屑流出角度は切り込み角に応じて約30°から約0。まで直線的に変化し、実測値とColwellの経験則による値との偏差は最大6.3°、平均1.3°であった。六四黄銅の実験でも同様に変化し、偏差は最大4.6°、平均1.3°であった。ジュラルミンでは、切り込み角0°~5°の範囲で実測値がColwellの経験則を下回り、六四黄銅では切り込み角全般にわたって実測値が上回った。両方の実験で刃先に凝着が観察されたが、切屑・被削面は滑らかで構成刃先の影響は小さいと推定している。 今回の実験条件では被削性のよいジュラルミンや六四黄銅はColwellの経験則が概ね適用可能と思われる。
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Research Products
(1 results)