2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560117
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
古閑 伸裕 日本工業大学, 工学部, 教授 (30215214)
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Keywords | ダイヤモンド / プレス / 金型 |
Research Abstract |
ダイヤモンドの塑性加工用金型工具への適用の可能性を調査するため、被加工材との摩擦摩耗特性をボールオンディスクタイプの摩擦摩耗試験機により、またダイヤモンド工具を用いた断続切削(シェービングを想定)によりダイヤモンドの耐衝撃性をそれぞれ調査した。これらの結果から、ダイヤモンドは超硬合金などの従来工具に比べ耐摩耗性や耐凝着性に優れ、塑性加工工具として利用するに十分な耐衝撃性も備えていることが判明した。 そこでつぎに、代表的な板材成形法である深絞り加工に用いるダイヤモンド(PCD)製工具(ダイとしわ抑え)を製作し、このPCD製工具とSKD製従来工具によるアルミニウム合金板の5,000回の連続無潤滑深絞り加工実験をそれぞれ実施した。その結果、SKD11製工具の場合は、少ない加工回数時点で被加工材であるアルミニウムの工具への焼付き(凝着)の発生が顕著に認められたが、PCD製工具による無潤滑深絞り加工では5,000回の連続加工後においてもアルミニウムの工具への焼付きや凝着の発生はほとんど認められなかった。これにより5,000回目に得られた成形品は、初回成形品とほとんど差異のない良好な精度を有するものであった。 現在は、アルミニウム以上に工具への焼付きや凝着が顕著であるため、塩素系潤滑油の使用が不可欠なステンレス鋼板の深絞り加工用工具へのダイヤモンド工具の適用性を評価している。
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