2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド三次元マイクロ金型による超高圧下での実験的塑性流動解析
Project/Area Number |
22560118
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
野口 裕之 日本工業大学, 工学部, 准教授 (30302623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 学 日本工業大学, 工学部, 助手 (30406409)
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Keywords | 超精密金型転写 / トライボロジー / 集束イオンビーム加工 / ダイヤモンドアンビル / 結晶粒径 / 相当ひずみ4 |
Research Abstract |
超高圧実験に使用される単結晶ダイヤモンドアンビルの平坦部(キュレット部)を、集束イオンビーム(FIB)加工観察装置を用いて自由曲面を有するマイクロサイズの凹形状に加工する。これを高剛性の圧縮成型金型として用い、ダイヤモンド金型が座屈する限界である70~300GPa程度の超高圧を負荷し、金属材料やセラミックス材料を無潤滑で圧縮成形を行うことで、世界初のダイヤモンド製マイクロ金型による超高圧下でのマイクロ板鍛造を実現することが本研究の目的である。さらに超高圧下で成形したマイクロ成形体の解析としては、ガラス転移点や相転移などの現象の流動解析等を重点的に実施する。 今年度は、ダイヤモンドアンビルのキュレット部に、単純形状の四角錐を複数個組み合わせたマイクロダイヤモンド凹形状金型を用いてナノインプリンティング方式により、四角錐加工形状がナノレベルの加工が実施できていることを確認した。さらに2個のダイヤモンドアンビルを対向して組み合わせ、超硬金型を用いて加圧実験を行った。ダイヤモンドの座屈限界まで加圧することはできなかった。この理由は、ダイヤモンド同士が接触すると応力集中によりアンビルの破壊が生じてしまい、応力解析の結果、ダイヤモンドは剛性が高い事が原因であることが判明した。ダイヤモンドの耐久試験であるダイヤモンド同士を接触させて超高圧を負荷することは中止した。そこで、当初の目的であるダイヤモンドアンビルに塑性加工可能な物質を挟んで常温下で加圧実験を行うこととした。被加工材に厚さ50μmのアルミニウム箔を面圧10GPaの面圧で加圧した結果、完全充填し、1辺7μmの四角錐の形状を転写することに成功した。また、アルミニウム箔に対して面圧10GPaで完全充満形状転写加工に成功し、加圧過程で被加工材の流動に伴う材料の結晶粒径が1行程の圧縮加工でナノイサイズに微小化する事を発見し、加圧力との関係を導き出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高圧実験に使用される単結晶ダイヤモンドアンビルの平坦部(キュレット部)を、集束イオンビーム(FIB)加工観察装置を用いて自由曲面を有するマイクロサイズの凹形状に加工に成功し、アルミニウム箔に対して面圧10GPaで完全充満形状転写加工に成功し、加圧過程で被加工材の流動に伴う材料の結晶粒径と加圧力の関係を導き出した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策として、これまでの2年間で作製した試料を分析し、3年目の研究目的である相転移などの現象の流動解析などを主として行う。 本実験では、ダイヤモンドアンビルを用いた1行程の圧縮加工により材料の結晶粒径を数十マイクロメートルから1マイクロメーター以下の500ナノメートルに微細化する加圧条件を見いだせたことから、今後は、さらに材料の結晶粒径を微細化するための、相当ひずみ4以上のひずみを発生させる検討を合わせて行いたい。
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Research Products
(3 results)