Research Abstract |
1.研究目的と意義プレス加工はせん断加工,曲げ加工・絞り加工,板鍛造加工の基礎技術からなるが,これらを複合化した複雑形状創成技術の一般化は行われていないことに鑑み,重要な成形を実現する順送成形技術(「要素技術」と呼ぶ)の確立を目指し,実験と解析支援により技術開発を行った.なお,全体の体系化を念頭に置きつつ,研究を進めているが,重要な技術開発を優先している. 2.具体的内容 重要な基本的要素技術を策定し,この幾つかについて技術開発を行った,一つは真直な穴抜き技術であり,いま一つは高精度かえりなしせん断技術である.基本的にはいずれも成功した. (1)真直な穴抜き技術 だれ,破断面,バリの生じない技術開発とそこで考慮すべき加工パラメーターを明らかにした.すなわち,(1)慣用的穴抜き,(2)穴周辺を圧縮加工,(3)シェービング加工の組み合わせでほぼ当初の目的を達成し,加工の適正化に必要な加工パラメーターとして,(1)ではクリアランス,穴抜きアスペクト比,(2)では圧縮領域,圧縮深さ,圧縮時の潤滑,(3)ではクリアランスと取り代であることを提示した.さらにここで重要なこととして,穴抜き後圧縮では穴内面への材料張出しが大きく,シェービング取り代が不均一となる問題があり,これについては次年度の研究で一層の改善を図ることとした (2)かえりなしせん断技術の高精度化 実加工の利便性より,平押し法を用い,各種加工との複合化を図る前提の基に,寸法精度について調べた.この結果,第2工程で生じる材料変形が,第1工程で生じた,だれ,わん曲等の影響を受け,寸法精度を悪化させることが実験と解析より明らかとなった. さらにクリアランス部材料の流動の影響も大きく,これを小さく抑え,寸法精度を高める手法の開発については次年度への継続とした.
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