2011 Fiscal Year Annual Research Report
順送金型方式高度微細成形における基本成形の要素技術開発と体系化の研究
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22560121
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
青木 勇 神奈川大学, 工学部, 教授 (30011159)
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Keywords | 生産工学 / 塑性加工 / プレス加工 / 順送金型成形 / 要素技術 / せん断加工 / シェービング / クリアランス |
Research Abstract |
1.研究目的と意義 せん断加工・曲げ加工・絞り加工・板鍛造加工を複合化した複雑形状創成技術の一般化が十分でないことに鑑み,かかる成形を実現する工法(要素技術と呼ぶ)の技術開発を行っている.前年度は事例研究として重要性の高い真直な穴抜き技術の開発とかえりなしせん断技術の高度化を検討した,今年度は主に昨年度検討した技術の高度化研究を以下のように押し進めた. 2.具体的な内容 だれがなく真直な穴抜き技術に関しては,加工機構の詳細,加工条件の明確化を,また平押し法によるかえりなしせん断に関しては寸法精度の向上を積極的に図る工法について研究した. (1)真直な穴抜き技術の高度化 (1)慣用的穴抜き,(2)穴周辺の圧縮加工,(3)シェービング加工の組み合わせでほぼ当初の目的を達成できている.本年度は,加工機構の異なる小穴抜き(板厚以下の穴)と慣用穴抜きについて,機構の詳細を検討し,切りくず形状やくずの干渉などシェービング工程における切削機構の差違を明らかにした.さらに,だれをほぼゼロにできる工程(2)の圧縮量を解析的に求める手法を確立した.なお,シェービング工程については,シェービング方向,工具形状改善で穴内面を改善できる見通しを得ており,これは次年度の継続研究課題とした. (2)かえりなしせん断技術の高精度化 実加工の利便性より,平押し法を用い各種加工との複合化を図ることを前提とし,前年度は寸法精度が第1工程で生じる形状不良に起因していることの概要を明らかにした.本年度は,第1-2工程の材料変形の検討と画像解析により,第1工程で生じる材料移動に起因する誤差,第2工程の材料跳ね上がりに起因する誤差が大きく,この不良を抑制する材料拘束の効果を明らかにした.さらなる寸法精度の高度化と作業性の向上を目指し,ゼロクリアランス付近で分離を容易にする技術開発と,新たな材料拘束方法の開発は次年度の継続研究課題とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実務家の意見等を聴取しつつ研究を進めている,複雑な工程を伴う実験の難しさはあるが,概ね順調に進捗していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はプレス加工の高度化を図り,実務に貢献することを前提としている.その意味では加工方法が容易であることが望まれる,現在は原理的な可能性を追求している部分もあり,実用に供せるように工法を洗練することが必要なことから,その方向で最終年度の研究を進めようと考えている。なお,成果報告に遅れがあり,改善する.
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Research Products
(2 results)