2010 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
22560130
|
|---|
| Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
|---|
Principal Investigator |
久米 達哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 機械工学センター, 助教 (40353362)
|
|---|
| Keywords | 精密形状測定 / 多点法 / ゼロ点ずれ |
|---|
| Research Abstract |
本研究では、1.多点法を用いた形状測定器から求められる導出形状の繰返し性をもとに、偶然誤差の誤差伝搬に基づく誤差見積もりモデルの妥当性を評価し、改善することで、多点法による形状測定の実用的な誤差見積もり方法を獲得する、2.多点法を用いた形状測定器において発生する、繰り返し性のある形状差(系統誤差)の発生メカニズムを解明し、その補正、除去を行う、3.多点法を用いた形状測定において問題となる繰返し性の無い、より一般的なゼロ点ずれの変動を除去する方法について、実験的に有効性を検証する、の3つを目的とする。
本年度は、研究目的3を実現するために、測定方向に数100mm程度の間隔で並ぶ3台の変位計間のゼロ点ずれの変動検出のための基礎実験装置を設計・製作し、これを用いた検討を行った。我々の形状測定器では、用いる変位計の繰り返し性が0.1μm(σ)程度であることから、数10nm程度もしくはそれ以上の分解能で、これらの間のゼロ点ずれの変動を検出する必要がある。ここでは、レーザの直進性を基準とする方式において、基準となるレーザの偏向や移動の影響が除去可能な方法を考案し、ゼロ点ずれの変動検出に採用した。まず、幾何光学シミュレーションに基づき、構成部品の変動の影響を受けないような光学系を設計し、原理確認のための実験光学系を恒温実験室内の光学実験テーブル上に作成した。次にその実験光学系を用いて、装置の校正と装置安定性の確認、レーザの偏向、移動の影響の除去実験を行った。その結果、実験光学系には、変動幅±2μm程度、1時間程度の周期をもつゆっくりとした変動と、変動幅±0.3～0.4μm程度の高周波(数100Hz程度)変動が見られた。前者は光学系の変動除去原理により除去可能、後者は測定データの平均化により抑制可能と考えられ、目標は充分に達成可能と考えられる。
|
Research Products
(1 results)
