2011 Fiscal Year Annual Research Report
高効率・高面圧化オンデマンド型ジャーナル軸受の試作研究:液体物性の温度依存性利用
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22560132
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
風間 俊治 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20211154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 幸仁 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90431519)
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Keywords | トライボロジー / ジャーナル軸受 / 潤滑油 / 粘度 / 温度 / ペルティエ素子 / 熱流体潤滑 / 制御 |
Research Abstract |
本研究は、潤滑油の温度-粘度特性を積極的に活用する視点に立ち、摺動部材の温度を能動的に制御することにより、摺動部に最適な粘度・圧力分布を発現させて負荷容量の増加と摩擦損失の低減を生み出してオンデマンド的な性能の向上を図る、ジャーナル軸受の試作および検証を行うものである。本取組みでは、サーモモジュール(ペルティエ素子)等を用いて、軸受部を局部的に冷却加熱することにより、潤滑油膜内の粘度および圧力の分布の制御を試みる。当該年度(平成23年度)は、ペルティエ素子を搭載したジャーナル軸受の改良と実験に焦点を当てた。改良の要点は、次のとおりである。昨年度に試作した試験装置を用いて、軸受荷重(49~392N)や軸回転速度(2.1~16.7rps)をパラメータとして、温度センサおよび圧力センサにより軸受特性を計測した。予備実験を繰り返し、軸受ブシュに装着したペルティエ素子で冷却することにより、特に圧力分布の最高値が変化することを、再現性や可逆性の点も含めて検証した。また、接触式高精度位置センサを導入して、軸受および軸の変位を測定し、軸受ブシュの冷却による軸受偏心量の変化を把握した。更なる軸受の局所的な冷却効果の向上を狙い、同一寸法の軸受ブシュを分割して断熱材を挟み込む方式の第2号機を設計、製作した。これらの改良や実験により、温度分布、圧力分布、偏心量を同時に測定しつつ、大きな冷却効果を得ることのできるジャーナル軸受試験計測装置システムを構築し、軸受ブシュの局所的な冷却により油膜圧力および軸受偏心量が変化することを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究目的において、「本取組みは,サーモモジュール(ペルティエ素子)を利用して,ジャーナルすべり軸受の摺動部を局部的に冷却することで潤滑膜内の圧力分布を制御して,効果的に良好な軸受特性を得ることを実証する試験的な研究である.」と述べ、平成22年度より3年度計画で実施している。これまでに、試験装置の考案、設計、製作、実験、調整、検討、改良ならびに潤滑理論による簡易計算等を進めており、軸受ブシュの冷却による圧力分布や軸受偏心量の変化などを実証しており、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、次年度(平成24年度)が最終年度となる。来年度は、改良や検討を重ねつつ、本試験装置を用いた実験を本格的に推進するとともに、総括を行う予定である。本研究計画の大幅な変更は予定していない。また、現時点では、研究を遂行する上での重大な問題点も生じていない。
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Research Products
(1 results)