2011 Fiscal Year Annual Research Report
可視域アレイ導波路回折格子を用いた超小型高感度潤滑油劣化センシングシステムの開発
Project/Area Number |
22560139
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
本田 知己 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80251982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 善郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40115291)
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Keywords | トライボロジー / モニタリング / 潤滑油 / 劣化診断 / 導波路回折格子 |
Research Abstract |
環境負荷低減と機械の長寿命化に有効な「プロアクティブ(原因除去型)保全」には劣化初期段階での潤滑油診断が必要不可欠である。本研究では、これを可能とするために、可視域アレイ導波路回折格子の分光機能を利用した高感度・極微少量潤滑油劣化センシングシステムの開発を目指す。 平成23年度:分光光度計による潤滑油の劣化状態判別 模擬酸化劣化油の色と潤滑油の物理化学特性との関係から、独自の色パラメータと適切な劣化度診断(予寿命判定)しきい値を考案する。 (1)模擬酸化劣化油の色と油の性状値(全酸価、動粘度)や酸化物の分子構造・分子量(FT-IR、GPCによる分析)との関係を調べた.(本田・大学院生) (2)模擬酸化劣化油と新油の混合比と酸化劣化進行過程の関係(本田・大学院生) 現有の分光光度計を用いて、汚染物の反射率や劣化油の透過率とRGB値との関係を明らかにした。 (3)研究成果の学会発表(本田) 国内外の学会で研究成果を発表し専門分野の研究者と討論することで、本研究の優位性と課題を確認した。 ・STLE 2011(米国潤滑学会),米国(アトランタ),5/15-19 ・ECOTRIB2011,オーストリア(ウィーン),6/7-19 ・International Tribology Conference 2011,広島,10/30-11/3 (4)潤滑油汚染物の色相判別による劣化診断法と摩耗粉解析による劣化診断法との関係(岩井) 潤滑油の色相に及ぼす摩耗粉の影響について明らかにした。また、これまで蓄積してきた摩耗粉解析の知識を用いて、本手法の有効性を確認するとともに、学会での討論を通じて本診断法の高度化手法について指針が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した予定にしたがって,ほぼ実施されている.また,その成果は国内外の学会で発表され,研究の優位性と課題が確認されている.基礎的研究部分は進んでいる一方,センシングシステムの試作部分はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究過程において特に問題点は生じていないため,次年度も当初の計画に沿って本研究課題を推進していく.
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Research Products
(5 results)