2010 Fiscal Year Annual Research Report
RF-MEMSスイッチ接点電極材料へのカーボンナノチューブ薄膜の適用
Project/Area Number |
22560142
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木之下 博 神戸大学, 工学研究科, 助教 (50362760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 吉正 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20257819)
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Keywords | RF MEMS / カーボンナノチューブ薄膜 / 接触抵抗 / 凝着力 / 接点電極 |
Research Abstract |
近年、IT無線機器の小型化に伴い、MEMS技術を応用した超小型高周波信号デバイスであるRF-MEMSスイッチが精力的に開発されている。本研究では、RF-MEMSスイッチの接点電極としてCNT薄膜を適用することを目的としている。本年度は、配線を想定した金薄膜上にCNT薄膜を低温で転写する技術を開発し、この転写CNT薄膜のマイクロ荷重領域における荷重と接触電気抵抗との関係を測定した。 以下に転写CNT薄膜のプロセスフローを述べる。(1)まずシリコン酸化膜上にCNT薄膜を生成する。(2)次に作製したCNT薄膜の上に真空蒸着で金を数十nm蒸着する。(3)そして金を数十nm蒸着したシリコン酸化膜基板を100℃以上に加熱し、その上に金を蒸着したCNT薄膜を押し付ける。(4)最後にCNT薄膜を成長させたシリコン酸化膜基板を取り除くことにより、転写CNT薄膜を得る。実際に転写を行うと、転写前には約100μmあったCNT薄膜は転写時の押し付けによって約17μm程度に圧縮されていたが、転写後も微細なCNT構造は維持されていた。 転写CNT薄膜を用いて、カンチレバー-CNT薄膜間距離と荷重、接触電気抵抗の関係を測定した。その結果、最小の接触電気抵抗は約700Ωであった。また明らかな凝着力は観測されなかった。同様の測定をシリコン酸化膜に金を蒸着した試料を用いて行った場合、最小の接触電気抵抗は数Ω程度と転写CNT薄膜と比較し小さな値であった。しかしながら、最大6μN程度の凝着力が観察された。このように転写CNT薄膜は金薄膜と比較し接触抵抗は大きかったが、凝着力は殆ど検出されなかった。
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Research Products
(2 results)