2011 Fiscal Year Annual Research Report
超音波定在波による微生物の操作を利用した微生物燃料電池の高性能化
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22560146
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
舘野 寿丈 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 准教授 (30236559)
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Keywords | 微生物 / 燃料電池 / 超音波 / 振動駆動 / 微小振動 / 微粒子 / 発電 / 紅色光合成細菌 |
Research Abstract |
本年度は,微小振動による微生物の電極への付着防止を検証する実験に向けて,微生物を循環させて連続発電が可能な微生物燃料電池システムを開発し,長期間の稼働条件での評価ができる装置を作成するとともに,超音波振動を付着防止に利用するための評価実験を行った. 微生物燃料電池システムの開発では,長期間の発電に向けて一昨年で使用した実験装置に比べ容量の大きな微生物容器で作成した.容器は微生物の循環ができるよう円環状とし,電極を一か所に配置することで,発電する領域と培養する領域とを分けられるようにした.電極部はカーボンペーパでプロトン交換膜を挟んだMEAを採用し,これまでの実験で使用してきた装置と同じ構造として両者での実験結果の比較ができるようにした.また,新装置の容量に相当する微生物を培養するための培地を作成して長期間の発電実験の準備を整えた. 超音波振動を付着防止に利用するための評価実験としては,微生物による発電量と超音波振動を発生させるための電力とを比較した.まず微生物の発電量を算出するために,負荷抵抗を変化させた発電実験を行い,負荷抵抗と電力との関係をグラフに描いた.この結果,最大電力は従来の研究に相応の結果が得られていることが確認された.また,付着防止装置として市販の超音波振動発生装置を仮定し,振動発生に要する電力と微生物による発電量とを比較したところ,振動発生に要する電力が上回り,低電力による振動発生方法の開発も必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り,長期間の発電実験が可能で振動による付着防止効果を検証するための実験装置を作成し,実験環境を整えている.微生物発電に関しても,基本的な構造を持つ実験装置により,発電量を定量的に導く基礎実験を済ませている.
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Strategy for Future Research Activity |
作成した実験装置を用いて長期間の発電実験を行い,微小振動による付着防止効果を検証する.超音波振動を発生させるための電力が比較的大きいことが明らかになったので,振動による微生物の集積に関しては他の方法を検討するものの,現時点では大きな計画変更はない.
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