2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音波定在波による微生物の操作を利用した微生物燃料電池の高性能化
Project/Area Number |
22560146
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
舘野 寿丈 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 准教授 (30236559)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 微生物 / 燃料電池 / 超音波 / 振動 / 紅色光合成細菌 / 微生物発電 / 循環型微生物燃料電池 / 超音波洗浄 |
Research Abstract |
本研究は,超音波振動により微生物を操作することで,微生物燃料電池の発電性能を向上させることを目的としている.本年度は,循環型微生物燃料電池システムを使用し,長期間の発電において微生物が電極に付着することの影響評価と,超音波振動による除去効果について評価した. まず,微生物の電極への付着が発電電力に及ぼす影響評価として,微生物が常に電極に接触する環境を維持したまま,数日間程度の長期間発電試験を行った.実験装置は昨年度の研究において開発した循環型の微生物燃料電池を使用し,微生物については初年度の発電実験で使用した細菌と同じ紅色光合成細菌を450ml程度にまで培養して実験を行った.発電電力の変化を測定したところ,開始から10時間程度で発電のピークを生じた後,徐々に低下し,40時間を過ぎるころから,ピーク時の10分の1に満たない値を継続する結果となった.実験後に電極を顕微鏡で観察したところ,微生物が電極を覆っている様子が確認された.これらの結果から,微生物は発電によって次第に活動が衰え,それらが電極を覆うことで電極での電子のやり取りを妨げ,発電電力が低下すると考察された. 続いて,超音波振動が微生物の電極への付着を防止する効果についての実験として,微生物が付着した電極を超音波洗浄器に浸し,再度,燃料電池に戻して発電実験を行った.この結果,再開後すぐに高い電力を発生し,20時間を過ぎることから,再開直後の10分の1に満たない値を継続する結果となった.この理由は,超音波振動によって電極に付着した微生物が排除され高出力を得たが,その後,発電によって再び微生物が付着して低下したためと考えられる.これにより,超音波振動を微生物燃料電池の長期性能維持に利用できることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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